○上島町消防活動基本規程

平成16年10月1日

消防本部訓令第10号

目次

第1章 総則(第1条―第3条)

第2章 消防活動体制

第1節 隊の編成(第4条―第11条)

第2節 出動体制(第12条―第15条)

第3節 指揮体制(第16条―第23条)

第4節 災害指令(第24条―第26条)

第5節 特別警戒(第27条―第32条)

第6節 自然災害等への対応(第33条)

第7節 消防力の増強(第34条―第41条)

第3章 消防活動

第1節 活動の基本(第42条―第52条)

第2節 火災防御活動(第53条―第56条)

第3節 救急活動(第57条・第58条)

第4節 救助活動(第59条)

第5節 現場報告(第60条・第61条)

第4章 消防活動対策

第1節 消防活動計画(第62条―第66条)

第2節 地理及び水利(第67条―第69条)

第3節 消防活動隊員の教育及び訓練(第70条―第77条)

第5章 災害調査(第78条・第79条)

第6章 報告(第80条・第81条)

第7章 補則(第82条)

附則

第1章 総則

(趣旨)

第1条 この規程は、消防法(昭和23年法律第186号。以下「法」という。)その他法令により消防が実施すべき災害の警戒及び防御その他の消防業務を円滑に遂行するため、その基本的な事項を定めるものとする。

(定義)

第2条 この規程において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 消防業務 消防活動及び消防活動を円滑に実施するために行う調査、訓練並びに消防活動に関する計画の策定その他これらに類する業務をいう。

(2) 消防活動 人の生命若しくは身体又は財産を災害から保護することを目的として、発生した災害を防御し、若しくは被害の拡大を防止し、又は災害の発生を警戒し、若しくは防除するために実施する活動及びこれらに付随する情報の収集その他の活動をいう。

(3) 救急活動 消防活動のうち法第2条第9項に規定する救急業務を遂行するために実施する活動及びそれらに付随する活動をいう。

(4) 救助活動 消防活動のうち災害その他の事故により生命又は身体に危険が及んでおり、かつ、自らその危険を排除することができない者(以下「要救助者」という。)について、その危険を排除し、又は安全な状態に救出することを目的として実施する活動及びこれらに付随する活動をいう。

(5) 消防活動隊 消防活動に従事するために編成される消防吏員の一隊をいう。

(6) 消防部隊 出動を命じられ、現場最高指揮者の指揮の下に一体的に消防活動に従事する消防活動隊をいう。

(7) 通信指令 消防活動隊の出動指令その他の指令業務を実施するために設けられた通信施設その他の機器を操作する消防吏員をいう。

(8) 消防自動車等 ポンプ自動車、救助資機材搬送車、救急車、救急艇その他消防活動に必要な資機材を装備した自動車及び船舶をいう。

(9) 気象注意報等 気象業務法(昭和27年法律第165号)に基づいて気象庁が行う気象注意報及び気象警報のうち、火災の発生に関して注意を要する風雪注意報、強風注意報、乾燥注意報、暴風警報、暴風雪警報をいう。

(10) 火災気象通報 法第22条第2項の規定により、愛媛県知事が市町村長に行う通報をいう。

(11) 消防対策本部 消防長が大規模災害時等に消防本部又は災害現場に設置する対策本部をいう。

(12) 現場指揮 災害現場において、個々の消防部隊を効率的に活動させることにより消防部隊全体の活動を一体的かつ円滑に実施するため、あらかじめ定められたところにより上位の消防吏員が下位の消防吏員に対して行う指示及び命令をいう。

(消防長及び署長の責務)

第3条 消防長は、管轄区域における消防事情の実態を把握して、消防署長(以下「署長」という。)及び本部課長と連携し、その他の消防吏員を総括して常に消防業務の万全な遂行を期さなければならない。

2 署長は、消防署(以下「署」という。)における消防事務の実態の把握に努めるとともに、本部課長と緊密な連携を図り、署の消防吏員を指揮監督して管轄区域における消防業務の万全な遂行を期さなければならない。

第2章 消防活動体制

第1節 隊の編成

(消防活動隊の編成)

第4条 消防活動隊の編成は、次に定めるところにより区分する。

(1) 分隊 消防隊長、救急隊長、救助隊長の指揮の下に消防自動車等を運用して消防業務の遂行に当たる消防吏員(以下「隊員」という。)で編成される最少単位の消防活動隊

(2) 小隊 当直司令、副当直司令の指揮の下に消防業務の遂行に当たる消防活動隊

(3) 中隊 消防長又は署長の指揮の下に消防業務の遂行に当たる消防活動隊

(消防活動隊の構成及び名称等)

第5条 各活動隊の構成及び名称等は、上島町消防署職員配置表に定めるところによる。

2 署長は、当直司令、副当直司令に事故があるときは、消防司令補又は消防士長の階級にある者を指名する。

3 分隊は、署に配置される消防自動車等について隊を編成する。

4 署長は、署の消防自動車等の故障その他適正な消防活動の執行に必要な体制が確保できないと認める事態が生じた場合は、代替の機械器具の確保等の措置を講じて、消防活動体制の確立を図らなくてはならない。

(隊の編成)

第6条 署長は、消防活動隊員の始業時に、隊の編成を行わなければならない。

(消防活動隊の種別)

第7条 消防活動隊は、次に掲げる種別に区分する。

(1) 消防隊

(2) 救急隊

(3) 救助隊

(消防隊)

第8条 消防隊は、消防ポンプ自動車及び消防機械器具を運用して火災その他の災害防御活動に従事することを主たる任務とする。

(救急隊)

第9条 救急隊は、救急自動車、救急艇及び救急資機材を運用して救急活動に従事することを主たる任務とする。

(救助隊)

第10条 救助隊は、救助資機材搬送車又は救助器具を運用して救助活動に従事することを主たる任務とする。

(消防活動隊の掌握)

第11条 署長は、消防活動隊の統制的な運用を行うために必要な部隊の編成及び消防活動の実施に際し、出動可能な消防隊の状況を常に掌握しておかなければならない。

第2節 出動体制

(消防出動計画)

第12条 消防長は、消防活動隊の迅速、的確な出動を図るため、災害発生場所、規模、種別等を総合的に分析し、出動車両台数、車種及び出動を指定した消防出動計画を定めなければならない。

(出動区分)

第13条 消防活動隊の出動区分は、次の表のとおりとする。

出動区分

内容

第1出動

災害を覚知すると同時に行う出動(火災と認定される情報の受信を含む。)

第2出動

現場最高指揮者の消防活動隊増強要請により行う出動

第3出動

消防長の状況判断又は署長の消防活動隊増強要請により行う出動

2 消防長は、前項の規定により出動した消防活動隊に事故があるとき、又は災害状況等により必要と認めたときは、消防活動隊の全部又は一部に出動を命ずることができる。

(消防長等の出動)

第14条 消防長、署長・本部課長は、第2出動体制で対応する災害又は特異な災害が発生した場合で必要と認めるときに出動するものとする。

2 前項に定める者以外の消防吏員は、災害が発生した場合で上司の命令があったときに出動する。

(消防相互応援協定による出動)

第15条 消防に関し、消防相互応援協定が締結されているものについては、協定に基づいて出動するものとする。

第3節 指揮体制

(指揮者の任務)

第16条 現場指揮を執る者は、災害に関する情報を的確に判断し、消防活動に当たっては、最小限の労力及び資機材で最大限の効果を上げられるよう努めるとともに、消防活動隊員及び周囲の住民等の安全に注意しなければならない。

(各指揮者)

第17条 指揮は、災害現場に出動した消防隊長、救急隊長、救助隊長、副当直司令、当直司令、署長又は消防長が行う。

(各指揮者の役割分担)

第18条 消防隊長、救急隊長、救助隊長(消防長が指名した代行者を含む。)は、当直司令、副当直司令の指揮を受け、隊員を指揮して消防自動車等及びその他の資機材を効果的に活用し、担当部署における消防活動に当たらなければならない。

2 当直司令、副当直司令は、署長の指揮を受け、消防隊長、救急隊長、救助隊長を指揮して有機的に活動させることにより、消防活動が効率的に遂行されるよう管理しなければならない。

3 署長は、消防長の指揮を受け、当直司令、副当直司令を指揮して有機的に活動させることにより、消防活動が効率的に遂行されるよう管理しなければならない。

4 災害現場に到着した各指揮者(消防長を除く。)は、到着した旨、部署した場所その他別に定める事項を現場最高指揮者及び通信指令に逐次速報しなければならない。

(現場最高指揮者)

第19条 現場最高指揮者は、災害現場における最高責任者として、現場最高指揮を執ることにより、消防部隊が効率的に消防活動を遂行するよう管理するとともに災害現場における消防部隊及び周囲の住民の安全確保に努めなければならない。

(指揮体制等)

第20条 災害規模に応じた指揮体制の区分及び指揮体制において現場最高指揮者となるべき者は、次に掲げるとおりとする。

(1) 第1指揮体制 災害現場を担当する署の当直司令又は副当直司令

(2) 第2指揮体制 署長

(3) 第3指揮体制 消防長

2 次の各号に掲げる場合における現場最高指揮者は、当該各号に定めるものとする。

(1) 分隊が単独で出動する場合 消防隊長、救急隊長、救助隊長

(2) 分隊が複数出動する場合 当直司令、副当直司令

(現場最高指揮の臨時代行)

第21条 現場最高指揮者となるべき者が災害現場において指揮を執ることができる状態となるまでの間は、現場に到着した各指揮者のうち、上位の階級の者が現場最高指揮を臨時代行するものとする。

2 現場最高指揮者となるべき者が災害現場において現場最高指揮を執ることができる状態となるまでの間において、現場最高指揮を臨時代行する者より上位の者が到着した場合は、速やかに、現場最高指揮の臨時代行を上位の階級の者に移行しなければならない。

3 前2項の規定により現場最高指揮を臨時代行する者は、現場最高指揮者となるべき者が現場最高指揮を執ることができる状態となったときは、速やかに、現場最高指揮を現場最高指揮者となるべき者に移行しなければならない。

4 前項の規定により現場最高指揮を移行する者は、速やかに、現場の状況、移行までの間にとった措置その他現場最高指揮の行使のため、必要な事項を現場最高指揮者となるべき者に報告しなければならない。

(指揮宣言)

第22条 現場最高指揮を執る者は、現場最高指揮の執行に当たり、自己の身分及び氏名の表明並びに以後現場最高指揮を執る旨の宣言を行わなければならない。

2 指揮宣言は、消防部隊及び通信指令に確実に周知されなければならない。

(現場指揮本部の設置及び廃止)

第23条 現場最高指揮者は、災害現場における情報の収集及び分析並びに効率的な消防活動の検討を行う機関として現場指揮本部を設置しなければならない。ただし、災害が小規模である場合、又は消防活動が短時間に終了すると見込まれる場合で、現場指揮本部を設置する必要がないと判断したときは、この限りでない。

2 現場指揮本部が設置された場合は、各指揮者は、自己の担当する部署における災害の状況その他の情報を逐次現場指揮本部に速報しなければならない。

3 現場最高指揮者は、災害現場における消防活動が終了したとき、現場指揮本部を廃止する。

第4節 災害指令

(通信指令の責務)

第24条 通信指令は、災害を覚知したときは、消防活動が効率的に実施されるようその状況を迅速かつ的確に把握し、災害に対して必要な指令、消防通信の統制、情報の収集及び伝達を適切に執行しなければならない。

2 通信指令は、消防活動隊の統制的運用を行うため、常に消防活動隊の状況を把握しておかなければならない。

(災害通報の受信)

第25条 通信指令は、災害通報を受けた場合は、災害の種別、状況、災害発生場所、対象物名、目標物、傷病程度その他必要な事項を確実に聴取しなければならない。

(情報の伝達)

第26条 消防活動に関する情報の伝達は、消防無線、携帯電話、ファックスにより行う。ただし、これらの通信機器にて交信が確保されないときは、有線電話その他の適切な伝達手段の利用を図らなければならない。

2 消防無線、携帯電話、ファックス等の統制管理は、通信指令が行う。

第5節 特別警戒

(火災警報発令下等の特別警戒)

第27条 消防長は、町長が法第22条第3項の規定による火災に関する警報を発したとき、又は気象その他の状況から災害の発生が予測される場合は、管轄区域の全域又は一部の地域を指定して署長に対して特別警戒の実施を命ずるものとする。

2 署長は、特別警戒を実施する場合は、次の各号に掲げる措置のうち必要なものを実施しなければならない。

(1) 予防広報

(2) 巡回警戒

(3) 警戒を要する地域における現場警戒本部の設置

(4) 気象情報その他の警戒を必要とする状況に関する情報の収集体制の構築

(5) 消防活動体制の強化

(6) 前各号に掲げるもののほか、消防長が指示する事項

3 署長は、管轄区域の実情に応じた特別警戒を行わなければならない。

(その他の特別警戒)

第28条 署長は、前条第1項の命令がある場合のほか、管轄区域において祭礼、興行等多数の者の参集が予測される催事その他災害の発生に警戒を要し、災害が発生した場合に、重大事故に至ることが見込まれる事案に対し、特別警戒を実施することができる。

2 前項の特別警戒の実施については、前条第2項及び第3項の規定を準用する。

(予防広報及び巡回警戒)

第29条 予防広報は、署の管轄区域を巡回させ、住民に火災その他の災害の警戒の呼びかけ及びその他適切な手段を用いることにより実施する。

2 巡回警戒は、署の管轄区域を巡回させ、火災その他の災害の警戒に当たることにより実施する。

(消防活動体制の強化)

第30条 消防活動体制の強化は、次に掲げる措置のうち必要なものを実施する。

(1) 署の消防吏員の不要、不急の外出の制限等消防活動要因の確保に関する措置

(2) 毎日勤務者の消防吏員の消防活動要員への編入の要請

(3) 署の消防活動要員の応援の要請

(4) 勤務に服していない消防吏員の招集

(5) 前各号に掲げるもののほか、署長が適当と認める措置

(特別警戒の解除)

第31条 署長は、消防長が第27条の規定による特別警戒の実施に関する命令を解除したとき、又は第28条に定める事案について特別警戒を継続する必要がないと認めるときは、速やかに特別警戒を終了しなければならない。

(火災警戒区域の設定)

第32条 署長は、法第23の2に規定するガス、火薬又は危険物の漏えい、飛散流出等の事故が発生した場合は、状況に応じて所要の消防活動隊を対応させるものとする。

2 通信指令及び現場最高指揮者は、前項の規定による事故が発生した場合における事故処理及び火災警戒区域等の設定に当たっては、事業所その他の関係機関等と連絡協調して、その処理に当たるものとする。

第6節 自然災害等への対応

(消防対策本部の設置及び廃止)

第33条 消防長は、次に掲げる災害が発生した場合で、必要と認めるときに、消防対策本部を設置するものとする。

(1) 大規模な火災、水難等が発生し、又はそのおそれのある場合で、その被害が相当規模に及ぶおそれがあり、かつ、これに対する総合的な対策を講ずる必要があると消防長が認めたとき。

(2) 災害規模にかかわらず、社会的影響のある災害が発生し、消防長が必要と認めたとき。

2 消防長は、災害の状況等により存続の必要がないと認めたときは、消防対策本部を廃止する。

第7節 消防力の増強

(非常時の招集)

第34条 災害が発生し、緊急に消防力を増強する必要があると認めたとき、又は災害の状況により残留車両等による出動体制を確保する必要があるときは、消防職員に対して非常招集を発令し、その必要がなくなったとき解除する。

2 消防職員は、非常招集の発令があったときは、あらゆる手段を用いて速やかに指定された場所へ参集し、配備につくものとする。

(非常招集の種類及び基準)

第35条 前項の消防活動体制に必要な人員確保のため、次の基準に定める非常招集を行う。

種別

決定者

決定基準

1号招集

当直司令又は副当直司令

該当する非番、週休者を招集する必要がある場合

2号招集

署長

署職員全員を招集する必要がある場合

3号招集(全職員)

消防長

職員全員を招集する必要がある場合

2 署長及び当直司令又は副当直司令が前項による招集をするときは、速やかに消防長の承認を受け事後報告しなければならない。

(非常招集の伝達方法)

第36条 非常招集の職員への伝達は、次の方法で行い、状況に応じ迅速かつ的確に行うものとする。

(1) 消防長、本部課長、署長、当直司令又は副当直司令の事前命令

(2) 電話

2 非常招集を発令したときは、発令時刻その他の必要事項を職員に伝達するものとする。

(職員の覚知義務及び自発的参集)

第37条 職員は、次の各号のいずれかに該当するときは、常に非常招集に応じられる態勢を整え、ラジオ、テレビ、電話等により災害発生状況を積極的に把握し、非常招集の有無その他必要な事項を確かめるとともに、発令前であっても発令の可能性が十分にあることを覚知したときは、自発的に参集しなければならない。

(1) 火災が発生したことを覚知したとき。

(2) 災害が発生したことを覚知したとき。

(3) 現場交替の必要が発生したとき。

(職員の参集)

第38条 非常招集(自発的参集を含む。)における職員の参集場所は、指定場所とし、参集した職員は、参集した旨を直ちに上司へ報告するものとする。ただし、交通途絶その他特別の理由により参集できないときは、その旨を報告し指示を受ける。

(参集報告)

第39条 所属長は、非常招集を発令したときは、非常招集参集状況を消防長に報告するものとする。

(適用除外職員)

第40条 非常招集に関する規定は、次に掲げる職員には適用しない。

(1) 休職中又は停職中の職員

(2) 疾病療養中の職員

(3) 出張、入校及び派遣中の職員

(4) 管轄外旅行中の職員

(5) 所属長が特別の理由により認めた者

(非常招集計画、部隊編成及び任務分担)

第41条 所属長は、非常招集を効果的に行うため、所属職員の参集所要時間、部隊編成、任務分担その他必要事項を考慮した事前計画を樹立しておかなければならない。

第3章 消防活動

第1節 活動の基本

(現場活動の原則)

第42条 災害現場における消防活動は、人命尊重を最優先とし、次に掲げる事項を基本原則として行動しなければならない。

(1) 災害の状況に即した迅速、確実かつ安全な行動をとること。

(2) 消防部隊相互の連携を密にし、計画的な消防活動の実行に努めること。

(3) 消防自動車等に装備した機械器具を効果的に活用すること。

(出動体制の確保)

第43条 署長は、調査、査察及び訓練等を実施するため、消防活動隊を出向させるときは、事後の出動体制に支障がないよう可能な限り計画的に運用しなければならない。

2 前項の規定により出向する消防活動隊は、災害出動体制を整備しておくとともに、調査等実施中においても出動に支障を来し、又は遅延することのないよう常に配慮し、出動指令を受けたときは、直ちに出動できる体制を確保しなければならない。

(消防活動隊及び機器の増強要請)

第44条 現場最高指揮者は、災害活動に際して、消防活動隊又は機械器具を増強する必要があると認めたときは、機を失することなく増強を要請するものとする。

2 前項の規定による要請に際しては、消防活動隊又は機械器具の数、種類別、配置先、集合場所、任務内容その他必要事項を明確に示すものとする。

(資機材等の調達)

第45条 災害現場等における資機材等(消防機関所有のものを除く。)の調達は、現場最高指揮者の判断によりこれを行うものとする。

(危害防止)

第46条 消防活動における各指揮者及び隊員の危害防止については、次に定めるところによる。

(1) 各指揮者は、隊員を危険な作業に従事させる場合においては、十分な危害防止と援護の態勢をとること。

(2) 隊員は、自らも安全を十分確認すること。

(3) 各指揮者及び隊員は、進入等に際しては退路の確保等脱出措置を講ずること。

(現場交替)

第47条 現場最高指揮者は、消防活動が長時間にわたる場合は、適宜現場交替の措置を執るものとする。

(関係機関等との連絡協調)

第48条 現場最高指揮者は、災害現場等へ出動している関係機関及び消防対象物の関係機関等と連絡協調し、消防活動等の効果を挙げるように努めなければならない。

2 通信指令は、前項の規定による要請があった場合は、直ちに処置するとともにその結果を現場最高指揮者に連絡するものとする。

(情報の収集と通報)

第49条 通信指令は、消防活動に係る情報の収集に努め、必要に応じて現場の消防活動隊その他関係機関等へ情報を通報するものとする。

(現場広報)

第50条 災害現場等における広報は、軽易な事項を除き、現場最高指揮者の指示により統一的に行うものとする。

2 前項の広報にあっては、関係者の名誉を尊重するよう配慮しなければならない。

(現場引揚げ)

第51条 消防活動隊の現場引揚げは、現場最高指揮者の指示によるものとする。

2 各指揮者は、引揚げに際して人員及び機器の現場点検を実施し、異常の有無を上級指揮者に報告するものとする。

(引揚げ後の処置)

第52条 各指揮者は、帰署したときは、直ちに人員及び機器を再点検し、異常の有無を確認するとともに、出動体制を速やかに完了しなければならない。

第2節 火災防御活動

(火災防御活動の原則)

第53条 火災防御活動は、消防対象物の火災の早期鎮圧とともにその近隣への延焼防止を主眼とする。

2 火災防御活動は、消防対象物及び近隣への水損防止に配慮しなければならない。

3 火災鎮圧後は、残火処理等により再燃防止策を講じなければならない。

(消防活動隊配置の原則)

第54条 第1出動の消防隊の配置は、火点包囲の隊形を講ずるように行うものとする。ただし、火災の状況により包囲隊形がとれない場合、又は包囲隊形による防御効果が期待されない場合は、この限りでない。

2 第2出動以降の各消防活動隊は、延焼拡大方面、重要方面及び消防活動隊の手薄方面へ進入し、包囲隊形を構成するものとする。

(鎮火等)

第55条 延焼防止、鎮圧及び鎮火は、現場最高指揮者がするものとし、決定したときは、直ちにその決定内容を通信指令へ通報するものとする。

2 現場最高指揮者は、火災を鎮圧したときは、必要以上に増強消防隊を現場に待機させてはならない。

(不測の事態の応急措置)

第56条 各指揮者は、消防活動に当たり不測の事態が発生し、現場最高指揮者の命令を受けるいとまのないときは、自己の判断により所要の応急措置をとり、事後速やかに現場最高指揮者に報告しなければならない。

第3節 救急活動

(救急活動の基本)

第57条 救急活動に従事する消防吏員は、傷病者の生命又は身体の保持のため、医療機関等への安全かつ迅速な搬送及び関係法令により認められる範囲の応急処置の実施に努めるとともに、搬送中の傷病者又は関係者から収集した情報を医師その他の医療関係者に提供する等適切な医療行為の実施のために協力しなければならない。

(上島町救急業務規程)

第58条 救急業務に関し、この規程に定めのない事項は、上島町救急業務規程(平成16年上島町消防本部訓令第12号)に定めるところによる。

第4節 救助活動

(救助活動の基本)

第59条 救助活動に従事する消防吏員は、習得した技能及び知識並びに救助器具を最大限に活用して要救助者の救助に当たらなければならない。

2 救助活動に係る各指揮者は、救助活動に従事する消防吏員ごとにその任務の範囲を判断して指揮を執るとともに、危険が予測される場合は、それらの消防吏員の安全を図るために必要な措置を講じなければならない。

3 救助活動は、救助隊が主体に行うものとする。ただし、救助隊が現場へ到着していないときは、先着消防活動隊がこれに当たるものとする。

第5節 現場報告

(現場報告等)

第60条 災害現場における現場最高指揮者の指揮命令又は現場最高指揮者への報告は、特に緊急の必要がある場合を除くほか、それぞれ隊員から各指揮者を順次経由して行うものとする。

2 指揮命令又は報告は、無線若しくは伝令により、又は各指揮者が直接文書若しくは口頭で行うものとする。

3 報告内容は、すべての要点のみを簡潔に行うものとする。

(活動報告)

第61条 各指揮者は、消防業務終了後速やかに火災等の概況及び活動状況等を署長に報告しなければならない。

第4章 消防活動対策

第1節 消防活動計画

(消防活動計画の策定)

第62条 署長は、管轄区域の消防活動を円滑に実施するため、対象物及び地域ごとに災害時の消防活動に関する計画(以下「消防活動計画」という。)を策定しなければならない。

(計画策定対象物)

第63条 消防活動計画の策定対象物及び地域(以下「策定対象物」という。)は、次に掲げるとおりとする。

(1) 防御困難対象物

 消防法施行令(昭和36年政令第37号)別表第1に掲げる防火対象物(同表第17項から第20項までに掲げるものを除く。)のうちで署長が指定するもの

 法第14条の2第1項に掲げる製造所、貯蔵所又は取扱所で署長が指定するもの

 及びに掲げるもののほか、署長が指定するもの

(2) 重要対象物

 文化財保護法(昭和25年法律第214号)により指定されている重要文化財等の建築物等

 に掲げるもののほか、署長が指定するもの

(3) 防御困難地域

 建築物密集地域

 水利不便地域

 及びに掲げるもののほか、防御困難地域及び署長が指定する地域

(計画策定要領)

第64条 消防活動計画は、策定対象物等の平面図(地階を含む階数が2以上の防御困難対象物にあっては、階ごとのもの)、平面図に消防活動隊の行動計画を図示したもの及び計画内容の説明で構成する。

2 消防活動計画は、対象物等の実態を詳細に把握するために綿密周到な実地踏査に基づいて、あらゆる角度から検討して策定しなければならない。

(消防活動計画の修正)

第65条 署長は、策定対象物等及びその周囲の状況その他消防活動上の諸条件の変化に注意し、必要に応じて消防活動計画の修正等を行い、消防活動計画が常に実効性あるものであるよう維持しなければならない。

(消防活動計画の周知)

第66条 署長は、策定した消防活動計画を職員に周知しなければならない。

2 消防部隊の指揮を執る者は、日ごろから消防活動計画に熟知するよう努め、策定対象物等において発生する災害に備えておかなければならない。

第2節 地理及び水利

(地理及び水利の掌握)

第67条 署長は、管轄区域内における地理及び水利の状況を常に把握するよう努めなければならない。

(地理水利台帳の整備)

第68条 署長は、管轄区域内の消防活動上注意を要する地理の状況及び消防活動に活用可能な水利の状況を整理した地理水利台帳を作成して署所に保管するとともに、常に活用可能な状態にしておかなければならない。

(図面の整備)

第69条 署長は、管轄区域内の地理水利原図及び管轄区域外の必要な地域の地理水利配置図を整備しなければならない。

第3節 消防活動隊員の教育及び訓練

(教育訓練の指針)

第70条 消防長は、隊員が行う消防業務等の技術、知識等が向上又は維持されるよう定期的、継続的な教育が受けられるよう対策を講ずるものとする。

2 署長は、隊員の資質向上を図るため、消防業務等に関する教育等の指針を定めるものとする。

3 当直司令及び副当直司令は、署長が定める指針に基づき、管轄区域内の特性その他の事情を考慮して訓練の計画を策定しなければならない。

4 隊員は、前項の計画に基づく教育のほか、消防業務に関して必要な専門的知識、活動技術の習得又は向上のため、自己啓発に努めるものとする。

(教育訓練の実施)

第71条 署長等は、前条の規定に基づき、教育訓練を実施しなければならない。

2 教育訓練の実施に必要な事項は、別に定める。

(消防訓練の種別)

第72条 消防訓練(以下「訓練」という。)は、基本訓練、応用訓練、図上訓練及び特別訓練の4種とする。

(基本訓練)

第73条 基本訓練は、署長が月計画に基づき、おおむね次に掲げる事項について実施する訓練とする。

(1) 隊員個々の基本動作及び操作

(2) 分隊単位による濃煙内救助、応急梯子救助、消防ポンプ操法、ホース延長、筒先配備、消防用設備等活用、中継放水及び救急処置

(3) 特殊車両等の基本操作及び応用操法

(4) 各種機器の操作及び運用

(応用訓練)

第74条 応用訓練は、消防活動上困難な消防対象物、異常気象時その他の特殊な事態に対処し、又は広報のため計画的に実施する訓練とする。

(図上訓練)

第75条 図上訓練は、各種災害の防御方法及び救急、救助活動の方法等を図上で実施する訓練とする。

(特別訓練)

第76条 特別訓練は、消防長又は署長が、消防対策上特に重要な危険地区又は特殊消防対象物を対象に、若しくは他の機関と合同で実施する訓練とする。

(訓練実施上の留意事項)

第77条 署長は、消防団を参加させて訓練を実施する場合は、事前に消防長及び消防団長の承認を得るとともに、訓練計画書を提出し、署又は消防団相互間の連絡を密にしなければならない。

第5章 災害調査

(調査の主眼)

第78条 火災調査(法第31条に規定する火災の原因並びに火災及び消火のために受けた損害の調査をいう。)は、将来の火災を予防し、又は効果的な火災防御活動のあり方を研究するために必要な基礎資料を得ることを主眼として実施するものとする。

2 火災以外の災害について、原因又は損害に関する調査が必要な場合は、前項の規定に準じてこれを実施するものとする。

(現場保存)

第79条 消防活動に従事する消防吏員は、災害現場又はその周囲の状況に不用意に変更を加えることにより、調査活動に支障を生じさせることのないよう留意しなければならない。

2 消防活動に従事する消防吏員は、可能な限り速やかに活動中に得られた調査活動に必要な情報を調査担当者に提供するよう努めなければならない。

3 災害調査等については、この規程に定めるもののほか、上島町火災調査規程(平成16年上島町消防本部訓令第9号)に定めるところによる。

第6章 報告

(消防活動状況の報告等)

第80条 署長は、消防活動が終了したときは、速やかにその活動の状況を消防長に報告しなければならない。

(災害速報)

第81条 署長は、火災・災害等即報要領に該当する災害事案が発生した場合は、直ちにその概要を消防長に報告しなければならない。

第7章 補則

(災害検討会)

第82条 消防長又は署長は、大規模災害又は災害防御上特殊な災害が発生した場合は、指揮者の指揮能力及び隊員の活動技術の向上と併せて、将来の消防施策の参考に供するため、災害検討会を開催するものとする。

2 署長は、前項の規定による災害検討会を開催したときは、その結果を消防長に報告しなければならない。

この規程は、平成16年10月1日から施行する。

上島町消防活動基本規程

平成16年10月1日 消防本部訓令第10号

(平成16年10月1日施行)

体系情報
第13編 防/第1章 消防本部・消防署
沿革情報
平成16年10月1日 消防本部訓令第10号