H27年 離島漁業再生支援交付金による取組概要
離島漁業再生支援交付金による取組概要
1.集落協定の概要
市町村名:上島町
協定締結集落名:魚島・高井神集落
交付金額4,080千円
協定参加世帯数:30人(うち漁業世帯30人)
2.協定締結の経緯
3.取組の内容
(1)漁場の生産力の向上と利用に関する話合い
3月12日の総会では、事業の実施状況報告と会計報告及び来年度の取組について話合いを行った。
総会では下記の項目について話合いを行った。
・平成26年度実施状況報告
・平成26年度会計報告
・来年度事業について
(廃止事業、新規事業について)
・協議会登録者の確認
来年度については、離島ならではの魚、食べ方、調理法などを試作し、新商品の開発、販路拡大、ブランド化に取組むこととなった。
(2)漁場の生産力の向上に関する取組状況
(1)・海底清掃
底引き網漁業を営む際、海底に滞留する生活ゴミ等が、操業の障害となっていることや、
漁場の悪化による水産資源の低下が懸念されることから、
漁場の環境保全を図るため、漁場の海底ゴミの回収を行った。
(回収状況) (回収状況)
(2)・港内水質改善
潮通しの悪い港内は、浮泥の堆積が多いことから水質が悪く、夏場の悪臭や漁場生産力の低下につながるため、
環境美化及び水質改善を図る目的で、EM活性液を利用した浄化活動を実施した。
(投入状況) (投入状況)
(3)・種苗放流
魚島地区の漁獲量は年々減少しており、漁場の生産力を向上させるため、
ヒラメ(2万匹)、キジハタ(3千匹)、マハタ(3千匹)、トラフグ(3千匹)、マダイ(2万匹)の放流を実施した。
(放流状況1) (放流状況2)
(3)集落の創意工夫を活かした新たな取組状況
デベラの加工品試作
底引き網漁業で漁獲される小型のデベラ(タマガンゾウビラメ)は、乾
燥デベラとして島内(魚島・高井神)で消費されてきた。魚島・高井神の活性化を図るため、デベラの商品化・販路確保にむけた取組を実施した。従来、島内(魚島・高井神)では、乾燥デベラを消費していたが、乾燥デベラは、他地域でも多く見られる加工方法であるため、乾燥デベラの佃煮を試作し、町内にて試食を実施した。
(作業状況) (試作品)
(4)取組の成果
本年度の取組みについて
(1)漁場の生産力の向上と利用に関する話合い
○平成26年度 事業実施状況・会計報告について
平成26年度の実施状況・会計報告を行った。特に意見はなかった。
○来年度の取り組みについて
・海底ゴミの清掃について
昨年度よりは、収集の数が少なかったため、来年度多くなることが考
えられる。また、平成27年度は交付金対象とならないことも考えられ
るが、その場合はボランティアとして協力することとなった。
・EM活性液の投入について
投入により港内が浄化され効果も出たので、話し合いの結果、平成
27年度については投入しないこととなった。
・種苗放流について
放流を行うことで漁獲量の減少は食い止められていると全体で認識している。ヒラメが放流数の割には手応えを感じられていないため、来年度放流する種類を検討することとなった。
・デベラの加工品について
放佃煮だけではなく、他になにかできないかとの声は上がったが、具
体的な案まではたどり着かなかった。
(2)漁場の生産力の向上に関する取組
ア. 海底ゴミの清掃
今年度は、年間540袋だった。この数値は前年度比約42%の数字である。
また、過去4年平均(1,267袋)と比べても約42%であった。本年は台風の影響による漂流ゴミが少なかったことが原因と考えられる。
H22 | H23 | H24 | H25 | H26 |
500 | 1,145 | 2,150 | 1,274 | 540 |
イ. EM活性液の投入
EM菌を継続して投入することにより、港内の透明度が上がり活動の成果
を感じることができた。
ウ. 種苗の放流
今年度から、ヒラメ・キジハタ・マハタに加え、トラフグ・マダイの放流
を行うことで、漁獲量の減少を感じることができた。
ヒラメについては、放流数の割には手応えを感じられていないため、来年
度放流する種類を検討することとなった。
(3) 集落の創意工夫を活かした新たな取組
デベラの加工品について
デベラの佃煮を試作し、町内で試食を実施することにより、魚島のデベラを広くPRできた。実用化にむけた活動や、
他の加工品についても検討していきたい。