令和6年度 12月定例議会 町長行政報告
令和6年度 12月定例議会 町長行政報告
みなさん おはようございます。
今年の秋祭りは、新型コロナの感染症法上の位置づけが「5類」に引き下げられてから2回目となり、多くの地区で他地域からの応援があった事を大変嬉しく思います。
本議会は11月の選挙により付託を受けた新人議員さんをはじめ、議会構成が様変わりした最初の定例議会となりました。
これからの議会運営が前向きな議論により、上島町民に寄り添った活発な議会になることを祈念しています。
本日は令和6年第4回定例議会を招集いたしましたところ、おおかたの出席をいただき誠にありがとうございます。
行政報告として9月定例議会後の主な事項のみを報告させていただきます。
例年、秋になると「まちづくり懇談会」を各地区で開催しているところですが、本年は地元選挙があったことから、開催を控えさせて頂きました。
私の選挙公約でもある「上島町のため、夢・人・絆・心をつなぐ政治を実践する」ためにも、今後も様々な形で、町民の皆様の声を直接お聞きできる機会を作っていきたいと考えています。
9月21日には弓削商船高等専門学校の商船学科卒業式並びに専攻科修了式に出席し、120年を超える伝統の重さを再認識致しました。この歴史ある学校と共に上島町が歩み続ける事の大切さを、先人への感謝と共に引き継いでまいります。
9月23日から、いきな秋季大運動会を皮切りに、各地において運動会が開催されました。離島留学制度により魚島小・中学校や弓削高校に多くの児童生徒が増えたことや、子供達の練習を積み重ねた熱心な演技などを目の当たりにし、多くの元気をもらいました。
9月29日、上島町合併20周年記念式典及び合併記念イベント「ゆめしまフェスタ2024」を岩城地区で開催し、式典で発表された地元小学生4人による「こども宣言」は、本町の新たな出発へのファンファーレとなりました。
引き続いて行われた記念イベントは「上島町の歴史を振り返り、今現在の幸せを感じ、未来へ繋ぐ」をテーマに開催し、町内出演者やゲストによる催しに加え、町内の「だんじり」のかき比べにより、上島町の一体感を覚える熱量がありました。
10月11日には愛媛県市町連携推進会議に出席し、中村知事をはじめ20市町の首長・愛媛県幹部職員出席のもと、チーム愛媛として議論が交わされました。
特にデジタル変革(DX)については、首長(町長)自らが積極的に対応しなければならない課題であることを再認識いたしました。
10月12日には、これまで食事を提供する店が無かった高井神島に、この春移住して来られたご夫婦により、島史上初の飲食店「食事処『まんが亭』」が正式オープンし、家族共々で訪問しました。
高井神島は、「漫画の島」としての知名度も徐々に上がって、観光目的の来島者も増加しており、来年には民間による「漫画学校」を開校する準備が進んでいます。
高井神島は、将来の上島町の縮図でもあり、日本全体が抱える課題が先鋭的に表れている地域ですので、行政自ら出来る限りの支援をしていく必要があると考えています。
10月24日、「内閣官房新しい地方経済・生活環境創生本部事務局」から3名の職員が来町され、上島町でのデジタル田園都市国家構想推進交付金活用状況を視察されました。
この視察では、上島町デジタルサポートルームの運用概要を説明するなど、リアルな授業配信現場を確認していただきました。
本町のデジタルサポートルームは、自分の所属する学級の授業がリアルタイムで受けられるように整備している事などから、「他の自治体のサポートルームとは全く雰囲気が違う」との感想や「誰一人取り残さないための環境づくり」、「クラス復帰へのステップアップとしての体制づくり」などへの好評の言葉をいただきました。
10月27日、「サイクリングしまなみ2024」が開催され、国内から47都道府県、国外からは27ヵ国・地域、合計3,446名の参加がありました。
8つのコースがある中で、上島町を走り抜ける2つのコースは、瀬戸内の多島美とともに温かい住民のおもてなしを満喫することができると、受付の時点から高い評価をいただいておりました。
当日は天候にも恵まれ、ボランティアスタッフの親切な対応やエイドステーションでの特産品の提供、海原獅子などによる歓迎があり、約800名の上島町コース参加者からも、島民からの声援に励まされてゴールまで走れたという声もありました。
特に今回は、町内15の団体や学校から「応援隊」への応募をいただき、コースの清掃や、大きな応援メッセージの作成、沿道からの笑顔あふれる声援などと、思い思いに大会を盛り上げていただく活動で参加者を元気づけていただきました。
この大会は、地域の方とサイクリストが交流できる素晴らしい企画であり、町を挙げて受け入れている姿勢を伝えることが出来ましたことに、改めて感謝いたします。
10月27日は衆議院議員総選挙の投票日であり、上島町は今回も投票率県内1位となりました。皆さんの権利を国政に主張できる有効な方法として、関心を高く持っていただいた町民の皆様に敬意を表します。
11月3日は町長と町議会議員選挙の開票日であり、ご案内のように、町民の皆様の民意が強く反映されました。この結果につきましては、11月15日の臨時議会で所信表明としてお伝えさせて頂いたので、本日は省略させていただきます。
なお、11月7日が私の初登庁となり公約を含めた今後の方針については、課長会等において職員の皆さんにお伝えしました。
11月8日には行革甲子園2024に出席しました。行革甲子園とは、地方自治体が取り組んできた「行政改革」の取り組みを発表し表彰する行革先進県である愛媛県を象徴する県独自の大会です。
今年は、「地方公務員が放つ!愛顔あふれる未来への一打!」をサブタイトルに、北は北海道余市町から南は福岡の北九州市まで全国7市町村の先進事例を聞くことができました。
どの団体の発表も上島町にも活かせるものが多くあり、町の更なる行政改革の必要性を認識させられました。
11月8日、尾道市において「Setouchi Vélo協議会 総会」が開催され、愛媛県や広島県をはじめとした瀬戸内の9県と、それに関わる各地方整備局、運輸局、経済産業局、本州四国連絡高速道路株式会社、また、瀬戸内地域のサイクリングルートを管理する自治体が出席しました。
この協議会は3期目を迎え、活動エリアがさらに拡大しており、上島町としてもこの協議会を通じて、さまざまな機関と連携を深めサイクリングに適した魅力ある町を発信してまいります。
11月9日、10日の2日間、弓削体育館において上島町文化協会が主催する令和6年度上島町文化祭が行われ、10日には芸能発表会が開催されました。
本行事は、町民の文化・芸術活動の発表の場として、また地域の文化振興の催しとして重要な役割を果たしており、今後も町民の皆様が文化活動へ参加できるように支援してまいります。
11月11日から15日にかけて、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため中止しておりました敬老イベントを、4年ぶりに各地区で開催いたしました。
今年から暑い時期を避けて11月の開催に変更したこと、テーマを各地域ごと「健康」「終活」「昔懐かしいお楽しみ」「三世代交流」とし、対象者はどの島でも参加することができるようにしたことから、島を越えた参加や交流も見受けられました。
今回、新たな取り組みに変更した敬老イベントは、多年にわたり社会に尽力してきた人生の大先輩を祝福・敬愛することが大きな目的であることはもちろんですが、敬老会に出席することで、高齢者自らの自立生活の向上に努める意欲の増進を図ることができたのではないかと思っています。
11月15日には第2回臨時議会が開催され、議長・副議長をはじめ各委員会委員長等の人事案件や専決処分(補正予算)等の議決がありました。当日の所信表明でも申し上げましたが、新たな上島町のスタートラインとして明るい希望が見える議会になりました。
11月16、17日の二日間、日本全国の170以上の離島が集い、島と都市、島と島とをつなぐ交流イベント「アイランダー2024」が、東京都の池袋サンシャインシティーで開催されました。
上島町においても、「東京をはじめとする関東の方への町のPR、そして全国の離島の方々との交流を図ること。」を目的に、毎年、ブース出展しており、今年も特産品販売に加え、観光案内や移住相談等のPRを行いました。
11月20日、離島振興対策協議会(離島関係都道府県)と全国離島振興協議会(離島関係市町村)の合同で行われる「令和7年度離島振興関係予算確保のための要望運動」に全国離島振興協議会副会長として参加し、離島振興関係19事業、特別要望として2件を、離島関係衆参国会議員244名に、全国離島関係市町村を代表して強く要望して参りました。
詳細については、全国離島振興協議会において広報されていますので、この場では省略させていただきます。
11月21日、水産業振興・漁村活性化推進大会が開催され、滝波農林水産副大臣や衆議院農林水産委員長など来賓多数の出席のもと、「活力ある漁村づくりと水産基盤整備の計画的推進」「資源管理による持続可能な漁業・養殖業の確立」など上島町に関連深い要望も含めた全11項目の要望を決議しました。
11月22日には、高知県日高村で開催された、明日の四国づくりを考える市町村長の会へ出席しました。四国地方整備局道路部、港湾空港部等各部からの令和7年度予算にかかる情報提供がありましたので、今後も引続き要望活動を行ってまいります。
11月27日には、四国港湾協議会意見交換会及び国会議員、国土交通省に対する要望活動へ参加しました。
瀬戸内海は世界中から注目されており、本町の「ゆげ海の駅」がヨット・クルーザーの寄港地として海外からも人気があることから、寄港実績や将来のビジョンなどについて意見交換をさせいただきました。
11月28日には、経済と暮らしを支える港づくり全国大会に出席しました。
全国各地の港湾管理者の参加があり、大規模災害に備えた総合的な防災・減災、国土強靭化対策における港整備の要望を行いました。
さて、今回上程している一般会計補正予算についてですが、主に令和6年人事院勧告に伴う、職員等の給与改定に係る経費を計上しております。
なお、先月政府が閣議決定した総合経済対策の裏付けとなる国の令和6年度補正予算案については、年内の早期成立を目指していることからも、その内容が確認でき次第、早期執行ができるように、適切な時期に予算計上を行ってまいります。
次に、上島町の令和7年度の当初予算についてですが、11月1日に「予算編成方針」を全職員に通知しました。
予算編成の基本的な考えとして、「入(い)るを図りて出(い)ずるを制す」という財政規律を基本に、予算編成が全事務事業の洗い出しでもあることから、コスト意識を持ち、先例にとらわれることなく、住民目線・家計目線で積極的に事業の見直しを進め、PDCAサイクルに基づき、成果と課題を検証することにより、スクラップ&ビルドを徹底することとしております。
結びに、本年3月の定例議会行政報告で「2月4日、サッカーJ1の名古屋グランパスは、所属する高校生プロサッカー選手のアルゼンチン移籍を発表しました。18歳で日本代表のトレーニングパートナーの一員でもある高校生は『自分の魂をアルゼンチンでも示し、命懸けでサッカーをしてきます。これからも応援していただけたら嬉しいです。行ってきます!』とメッセージを発信しています。」とお伝えした上島町出身と言える選手は、11月7日にU19日本代表にも選ばれ試合でも得点を挙げています。
「若き18歳が世界に挑戦している姿は、私が忘れかけた情熱を呼び起こしてくれたような気がしています。」ともお伝えしましたが、私もこの挑戦者に負けないよう、今後も堅実な行財政運営はもちろん、上島町の「アイランド・オブ・ドリームス」も含め、その約束実現へ向け全力で頑張りますので、これからもよろしくお願い申し上げます。
上島町長 上村俊之