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令和6年度 9月定例議会 町長行政報告

印刷用ページを表示する掲載日:2024年9月30日更新ページID:0025263

令和6年度 9月定例議会 町長行政報告

 みなさん おはようございます。

 昨年の9月議会行政報告でも、「今まで経験しなかった猛暑、という言葉を今年も繰り返すことになり」という内容から始めましたが、これも3年続くと異常気象と呼ぶべきなのか、今年も昨年以上に早い時期から酷暑が続いています。

 上島町ではこの酷暑対策として、世帯全員が非課税である高齢者や障がい者で、現在居住している住宅にエアコン設置がない世帯を対象としたエアコン設置支援を今年度から開始しておりますが(実績、高齢者世帯5件、障がい者世帯1件の設置支援)、日本各地では予期せぬ気象や、線状降水帯などによる異常な豪雨により、洪水や土砂災害が発生しており、改めて被災された皆様に心からのお見舞いを申し上げます。

 7月1日、元岩城村村長稲本一氏の葬儀に参列させていただきました。旧岩城村の発展にご尽力いただいた事への感謝の気持ちを、町民を代表して弔辞にてお示しし、全体課長会においては黙祷を捧げました。

 今後も、稲本元村長の優しい笑顔のような町づくりを目指していくことを心に刻んだ1日でした。

 本日は令和6年第3回定例議会を招集いたしましたところ、全員の出席をいただき誠にありがとうございます。行政報告として6月定例議会後の主な事項のみを報告させていただきます。

 7月2日には、国交省スマートアイランドアドバイザーと面談協議を行いました。今年度より、国土交通省では離島地域の課題解決のため、ICTをはじめとする新技術等の実装を図るスマートアイランドを推進していくためのアドバイザー派遣事業を開始しています。

 上島町においても地域活性化の起爆剤となりえる「キャッシュレス決済サービスの導入」及び「地域通貨の導入」等に向けた検証・検討を行うため、アドバイザー派遣に応募したところ、今年度のモデル地域として選定されました。

 今回のアドバイザー派遣では、上島町において、デジタル技術を用いた地域内の経済活性化及び、地域外からの外貨を稼ぐ取り組みを実装していく手段として、地域通貨等の導入及び利便性向上のためのキャッシュレス決済サービスの導入について、アドバイザーと関係各課で検証してまいります。

 7月2日から3日にかけ、全国離島振興協議会副会長として、令和7年度離島振興の推進に関する要望活動を、国会議員や関係省庁等に対して実施しました。

 上島町に直結する、その主な要望内容は

 ○離島振興関係事業の強力な推進について

 ○離島の観光・交流の促進について

 ○離島航路の整備強化について

 ○離島バス路線の維持対策等の強化について

 ○地震・津波・火山噴火等大規模自然災害に関する特別対策事業の促進について

 ○離島市町村の財政力強化について

 ○離島医療の改善について

 ○高齢者福祉と介護保険制度の改善について

 ○離島における教育・文化振興等について

 ○地方創生関連施策の実施について

 ○関係都道府県の離島振興対策の促進について

 など、合わせて全14テーマ、60項目です。

 7月3日のうちに愛媛県に戻り、知事との意見交換会に出席、上島町や各地区からの要望活動を行いました。意見交換においては、造船業界や農業・漁業等への不足する労働力と外国人が求めている技能講習へのマッチングについて愛媛県側の協力を要請しました。

 7月10日には、松山で開催された道路整備促進期成同盟会愛媛地方協議会及び愛媛県市町道整備促進期成同盟会合同定例総会へ出席し、総会後には愛媛県知事、愛媛県議会へ山積する道路整備の課題や防災・減災、国土強靭化対策等、必要な予算確保をし、適切に道路整備を推進できるよう要望活動を行いました。

 関連して7月26日、南海トラフ地震等の大規模災害発生時には、住民の皆様を守る命の道となることから、高松市の四国地方整備局において局長や道路部長へ関係予算総額の満額確保等、道路整備推進への要望活動、同じく道路関連として、8月7日には、愛媛県内道路関係期成同盟会による東京での合同中央要望を行い、国土交通省の堂故副大臣・吉岡事務次官・廣瀬技監・山本道路局長・藤巻局長・須藤審議官、財務省の新川事務次官・宇波主計官、関係国会議員などに要望を行いました。

 前日の8月6日には、国交省・総務省幹部の方々が7月に異動されたので、挨拶回りを行うなど、時間の合間には省庁回りを行い、特に観光面での協議を行わせていただきました。

 7月15日には、高井神で開催された、ゆめしま&さざなみ地域交流BBQに参加しました。高井神への移住者のお子さん、魚島や弓削高校への留学生を交えての楽しい時間でしたが、改めて離島留学と高井神の活性化を上島町の重要な施策として進めなければならない事を再認識致しました。

 尚、「ゆめしま寮」の運営に関しては、7月現在で予算の範囲内はもちろん、計画より少ない経費で順調に実施しています。

 7月17日には、上島町身体障害者福祉協議会総会と区長懇談会に出席しました。区長懇談会では、町からの報告に加え、「倒壊危険家屋の問題」「保育所・小学校の統合」「災害時の避難・要支援者対策」などの各地区の身近な要望・質問があげられ、情報共有と活発な意見交換をすることができました。

 7月24日には、自転車を活用したまちづくりを推進する全国市区町村の会 四国ブロック会議を上島町で開催しました。

 四国4県の23市町の首長や担当者(参加者:48名)の参加の元、協議の議事進行を私が務めさせていただき、国への交通ルール啓発強化の要望を取りまとめました。またシェアサイクルの普及、デジタル技術の活用など、市町の課題について意見交換を行いました。

 7月25日には、松山市において愛媛県漁港漁場協会による理事会及び総会が開催されました。総会には、水産庁 漁港漁場整備部 防災漁村課 水産施設災害対策室長をはじめとする漁港漁場関係団体の方々がご来賓として出席され、水産庁の高原室長からは「海業」について、ご講演いただきました。「海業」とは、海や漁村に関する地域資源の価値や魅力を活用する取組みのことで、水産業だけでなく、地域振興に繋がる重要な事業として、今後、上島町においても取り組んでいく方針です。

 7月27日には、FC今治のホームタウンプロジェクトの一環として、「上島町マッチデー」が今治で、8月18にも「愛媛FCマッチタウンデー」が開催され、上島町ブースによる観光案内、特産品の販売・飲食ブース、キッチンカーの参加などにより、上島町のアピールに努めてまいりました。

 7月30日には、海事産業の未来を共創する全国市区町村長の会に出席し、「人材確保・育成の取組みの推進」など3項目の要望を、国土交通省の石橋政務官や宮武海事局長をはじめ自由民主党及び公明党の衆参国会議員に行いました。

 また、各市町の特産品のPRする機会があり、上島町で最近売り出した新商品のアピールも行ってきました。

 8月3日にはふるさと夜市に参加し、沖縄をはじめ全国各地から里帰りした懐かしい顔に出会えることができました。上島町全ての島々からの参加や、若者たちの浴衣姿や先輩方の明るい笑顔に、幸せな気分に包まれました。。

 8月6日に開催された尾三圏域地域医療構想調整会議において、因島医師会病院と因島総合病院(日立造船健康保険組合)から再編統合に関する対応方針に合意が得られたため、令和8年4月1日の統合に向けて両病院で準備を進めて行く事が公表されました。

 私は、尾道市島嶼部及び上島町地域が活用し、同様な機能を担っている双方の病院が、今後の運営を考える中で統合の判断をなされたことは、地域医療を守るため慎重な議論を重ねられた結果であり、その判断を尊重しなければならないと考えています。

 今後は、因島医師会病院と因島総合病院の2つの医療機関の統合により、因島地域の住民をはじめ、島嶼部に住む方々にとって、安心して暮らしていくことのできる医療提供体制の維持につながるよう、連携していきたいと考えています。

 なお、この構想については7月18日に広島県と病院側から上島町に事前説明があり、8月1日に上島町議会議長・副議長に報告、8月7日に病院側が作成した説明書を議員の皆様に配布しております。これは尾道側の工程に合わせて実施したものであり、8月26日には広島県による上島町地区長への説明が行われ、今後の住民説明方法についても、尾道側と歩調を合わせながら進めてまいります。

 8月23日には、「災害時における情報交換及び支援に関する協定」を結ぶ四国地方整備局松山港湾・空港整備事務所と共同で「『命のみなとネットワーク』海上輸送訓練」を県内では初めて実施しました。その内容は、南海トラフ地震により、上島町内で断水が発生した想定の下、整備局が保有する港湾業務艇『くるしま』が魚島と弓削島に飲用水を運搬し、さらに、救急艇『かみじま』が合同で、魚島からの避難者を弓削島まで運ぶ、大規模災害を想定した訓練です。

 魚島では地区住民協力のもと、バケツリレー方式で飲用水の荷揚げを行い、その後、弓削島まで被災者の輸送を行いました。また、弓削港物揚場では、海洋環境整備船『いしづち』が来航し、飲用水の運搬訓練と、一般公開を行いました。

 大規模災害が発生した際は、関係機関との迅速で強固な連携が、被害軽減における重要な要素の一つとなります。上島町では今後も訓練を通じて関係機関との連携を深めてまいります。

 8月26日、松山市において災害対策専門研修「トップフォーラム」を4時間に渡り受講しました。今後発生する大規模災害に対して、最新の研究結果による知見をもとに、災害発生時の政府の初動対応の説明や応急職員派遣制度の説明、災害対応における首長の役割等、地方公共団体のトップに求められる対応などについて講義を受けました。今回の講義も参考に、町民の皆さんの安全を守るため迅速な災害対応・防災体制の強化を行い、災害に備えてまいります。

 9月29日に開催される「上島町合併20周年記念イベント」についても簡単にご案内いたします。

 平成16年に上島町が誕生し、令和6年10月1日に上島町合併20周年を迎えます。

 この記念すべき年を町民の皆様と共に祝うための記念事業を計画しており、9月29日には、上島町合併20周年記念式典と共に、記念イベント「ゆめしまフェスタ2024」を開催します。

 本イベントでは、各地区のだんじりによるかき比べのほか、雨乞い踊りやトークショーなどの催しに加え、会場内で町内事業者によるフードフェスも行いますので、町民皆様のご来場をお待ちしています。

 さて、国の来年度予算概算要求基準が7月29日に閣議了解されました。

 岸田政権が重視するデフレからの完全脱却と成長型経済の実現に向け、4兆2千億円規模の「重要政策推進枠」を前年度に続き設けており、賃上げの促進や物価高への対応は、要求段階で金額を具体的に示さない「事項要求」が認められています。これらの方針により、要求総額は11年連続で100兆円を超える公算が高く、例年以上に厳しい予算編成が予想されますが、上島町においては特に国民生活を圧迫している物価高騰対策には引き続き注視し、適宜適切に対応してまいります。

 一方、上島町の令和5年度決算における上島町の財政状況ですが、地方公共団体の財政が健全かどうかを判断する4つの指標の中にある、公債費への財政負担と資金繰りの程度を示す「実質公債費比率」は、13.7%となり、前年より0.4%の増加となりました。

 単年度の比率については減少しておりますが、増加の要因は実質公債費比率は3か年平均で計算されるため、今年度算定対象外となった令和2年度の比率に対し、新たに算定対象となった令和5年度分の比率が増加したことです。その主な要因は、標準財政規模のうち、臨時財政対策債発行可能額が減少したためです。

 また、7月23日に愛媛県より普通交付税額の決定通知があり、令和6年度の上島町への普通交付税は32億7,905万2千円で、前年度比マイナス2,083万1千円、マイナス0.6%の減額となっています。

 その要因としては、前年度の令和5年12月に普通交付税の追加交付があり令和5年度分の交付税が増加したこと等によるものです。なお、愛媛県市町分においては平均でマイナス1.7%の減となっております。

 今後も、余裕のあるうちに先んじて改善を行うことで、町民の皆様の楽しみを持続させることはもちろん、将来の子ども達にも明るい未来を残さなくてはなりません。

 そのためにも、身の丈に合った財政運営に努めるとともに、特別会計等使用料の見直しなど、将来的には町民の皆様に痛みを伴う施策を提案する場面も出てくるかもしれませんので、議会や町民の皆様のご理解とご協力をよろしくお願い申し上げます。

 結びに、7月から開催されたパリオリンピックは、開会式をはじめ競技場の多くが既存の施設を活用した大会であり、近代化したスポーツと伝統ある建築物の融合は、さすが芸術の国フランスの面目躍如を感じさせられました。

 競技においても様々なドラマがあり、アスリート達は感動や勇気、そして夢を与えてくれました。スポーツは物を直接作り出す手段ではありませんが、私たちの活力を生み出してくれます。

 特に、私が印象に残ったのは体操男子団体でした。最後の鉄棒種目を残して日本とトップとは3点差以上。常識ではとても逆転できる数字ではありませんでした。

 しかし、キャプテンの「絶対に諦めるな」との振り絞る声の中、見事に金メダルを獲得し涙でお互いを称えていました。

 体操は個人競技であるはずなのに、チームメイトや応援するみんなの気持ちが最後の演技者にも力を与えたような気がしました。

 上島町でも様々な困難に遭遇することがありますが、今後もこのアスリートの「絶対に諦めない」精神で、より良い町づくりを目指してまいります。

                  上島町長 上村俊之