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令和6年度 6月定例議会 町長行政報告

印刷用ページを表示する掲載日:2024年6月18日更新ページID:0024443

令和6年度 6月定例議会 町長行政報告

 みなさん おはようございます。

 五月晴れから梅雨を経て、瀬戸内の活気を最も鮮やかに彩る、上島諸島を代表する時候になってまいりました。

 本日は令和6年第2回定例議会を招集いたしましたところ、全員の出席をいただき誠にありがとうございます。

 3月定例議会後の行政活動内容や資料についての詳細は時間の関係上、上島町ホームページ内の町長活動報告に代えさせていただき、この場においては主な事項のみを報告させていただきます。

 3月9日の弓削商船高等専門学校を皮切りに、各保育園・小学校・中学校・弓削高校などの卒業式や入学式において祝辞を述べさせていただき、新たなる門出に抑えきれない感動が私の涙腺を刺激しました。

 特に本年は魚島に7名、弓削高校には「ゆめしま寮」に15名と寮以外に6名(留学生にカウントしていない因島からは7名の1年生)の離島留学生を迎え、高井神からも移住家族の小学生と中学生各1名の子ども達が通うこととなり、上島町にとって教育や交流の分岐点とも言える重要な年になりました。

 子供達は、みんな明るく元気に通ってくれていますので、弓削商船高等専門学校の学生さんを含め、町民の皆さんも我が子、我が孫と同様に暖かく接していただけたらと思います。

 3月10日には、ゆめしま海道いきなマラソンが開催され、北海道から沖縄県までの32都道府県から1,080名のランナーが、晴天のゆめしま海道を駆け抜けました。ボランティアの高校生や給水所での中学生の声援に、手を振って応えるランナーの笑顔が印象的でした。

 3月13日、町内唯一の県立高校である弓削高等学校の更なる魅力化を図ることを目的に、かねてより整備を進めていた「ゆめしま寮」の落成式が執り行われました。

 午後からの内覧には、平日にもかかわらず予想以上に大勢の方が訪れ、弓削高校を支える新たな拠点の誕生に、町内外からの関心の高さを感じました。

 翌日の3月14日には、上島町において「Setouchi Velo協議会」が開催され、瀬戸内地域のサイクリングルートを管理する自治体やそれにかかわる県、各地方整備局、運輸局、本州四国連絡高速道路株式会社から、総勢40名の参加がありました。

 この協議会は瀬戸内地域及びその周辺地域を、環境に配慮した安全で快適な、世界にも認められる「サイクリングの推進エリア」に育てることにより、本地域のブランド価値の向上を図り、持続的な地域振興を実現することを目的としたものです。

 当日は、ゆめしま海道の3橋をすべて経由するコースのサイクリングや「ゆめしま海道の未来」をテーマにしたパネルディスカッションが行われ、上島町の魅力やポテンシャルの高さを国内外に発信しました。

 3月17日、東広島市福富町において、第20回アクアの森植林交流会が開催され、上島町民44名に参加いただきました。この交流は、友愛の水の源流域である福富町の森を育てることが、豊かな瀬戸内海につながること、また、送水への感謝の意を持ち続けることを目的に続けており、東広島市長もお越しいただきました。今回は、湖畔に設けていただいている「上島町の森」へ弓削中学生と弓削高校生が書いた新しい看板を、福富町の「すいすい倶楽部」に設置していただき、河津桜20本を植樹してまいりました。

 1月1日に発生した能登半島地震への人的支援ですが、1月19日からの介護職員2名を皮切りに、一般行政職員や保健師・消防士など延べ11人の上島町職員を金沢市、輪島市及び七尾市に派遣し、避難所の運営を中心に支援を行ってまいりました。

 2月1日と3月1日には派遣した職員による「能登半島地震被災地支援派遣職員報告会」を課長会で実施し、上島町がいざという時のために何を備えなければならないかなど、防災行政の一助になる経験を職員で共有いたしました。

 3月23日、弓削商船高等専門学校の新しい練習船「弓削丸」の竣工記念式典があり、盛山文部科学大臣をはじめ、約150名の来賓が上島町にお越しいただきました。

 この4代目「弓削丸」は30年ぶりに更新され、上島町のシンボルとも言える船で、災害支援船としての機能も有しており、町にとっても大変心強く、様々な面で貢献いただけるものと確信しています。

 3月26日、愛媛県教育長へ挨拶と報告を行いました。これは愛媛県が弓削高校へ18年ぶりに校長先生を配置していただいた御礼を兼ね、今後の上島町の取り組みや方針をお伝えしたものです。

 3月29日には、新生児誕生記念品贈呈式を開催いたしました。今後も上島町は、未来を担う子どもたちが、ふるさとに愛着を持ち、健やかに成長できるまちづくりを目指し、子育てを重点項目として取り組んでまいります。

 4月4日には愛媛県庁や関係機関を、10日には四国高松の整備局や運輸局、財務局などへ、16日からは東京において各省庁や国会議員へ、延べ170箇所(県関係71箇所、四国関係31箇所、国関係68箇所)へ新年度の挨拶回りを兼ねて情報収集や要望活動を行いました。

 特に国土交通省離島振興課へは、今年度から初めて上島町職員を派遣していますので、国のために働いていただくと共に、本人が離島振興への知識を習得し、上島町のためにもスキルアップしてくれることを期待しています。

 また、国土交通省関連では、私に対し離島振興に関する重要事項について調査審議を行う大臣の諮問機関である「国土審議会離島振興対策分科会特別委員」に就任依頼がありました。5月27日より務めることになりましたので、全国の離島はもとより、上島町の現状や課題を伝える良い機会とし活動してまいります。

 4月5日には弓削高校「ゆめしま寮」の入寮式を執り行い、新たに全国から新1年生12名、先輩2年生3名の離島留学生をお迎えすることができました。新1年生の定員を10名程度と絞ったため、入寮できない生徒さんが出てしまいましたが、それでも弓削高校を目指した新1年生3名は、上島町内のアパートや下宿を借りて弓削高校に通ってくれています。

 もちろん、上島町としてはその子ども達にも「ゆめしま寮」で食事が摂れるようにしており、日常も交流が図れるよう対応しています。

  「ゆめしま寮」の建物自体も、木造で温かみのある理想的な施設になりましたが、寮内に溢れる生徒の皆さんの希望に満ちた顔や明るい笑い声に、この施設の高い価値観を改めて認識し、この建物に命が宿ったことを感じました。

 当日はお忙しい中、校長先生や教頭先生の出席がありましたが、それ以上に感動したのは、休日にも関わらずほとんどの先生が立ち会ってくれたことです。

 私はこの先生方になら、安心して子供達をお任せすることができる事を確信しました。

 4月7日、前日は雨で心配していましたが、「いわぎ桜祭り」が快晴の元に開催されました。実行委員会や役場スタッフが前日はもとより、当日の早朝6時から準備に取り組み、多くのお客様を楽しませてくれた事に、この場をお借りして心から感謝いたします。

 4月19日にはマツダスタジアムにおいて「広島対巨人戦」が開催され、昨年に引き続いて上島町も観光PRと物産販売を目的に参加させていただきました。

 昨年も、広島東洋カープオーナーが上島町ブースにおいて、たくさんのお買い物をしていただいたと聞いておりましたが、今回も驚くほどのお買い上げをいただき、上島町を代表して感謝の言葉をお伝えすることができました。

 もちろん、上島町の特産品は昨年同様、マツダスタジアムのお客様に好評で行列が途切れることなく、5回までに全商品が売り切れました。次回試合への参加は7月14日(日曜日)になっていますので、時間が許される町民の皆さんはぜひマツダスタジアムまで足を運んで下さい。

 5月1日、町の移住定住促進ポータルサイト「かみじまライフ」の新たな取組みとして、地元の求人情報をまとめた特設ページを立ち上げました。これは移住相談を受ける中で、町内の求人情報が少なく、お伝えすることができなかったことから、各事業所等の様々な求人要望を掘り起こし、移住定住希望者に伝える体制を整えたもので、上島町へのさらなる移住者の増加につなげていきたいと考えています。

 5月11日、いきなスポレクにおいて、マンダリンパイレーツ公式戦が開催され、いわぎブルーレモンや、ゆめしまベースボールクラブの子供たちの参加、弓削高校起業部による「ジビエバーガー」の出店及び、地元事業者の出店があり、目的であるスポーツ振興や地域活性化を図る取り組みができました。

 5月26日には上島町総合防災訓練を実施しました。住民避難訓練では、住民の皆さんの安否確認を確実に行うことで、無事を迅速に確認できる体制づくりを地区に取り組んでいただきました。通信系の訓練としては、緊急避難場所、災対本部、松山港湾・空港整備事務所、東予地方局と今治支局を「Zoom中継」で結び、現地の状況を把握した上でのリエゾン派遣要請や応援要請等の訓練を行いました。

 さらに、自治体向けコミュニケーションツールの「Logoチャット」で現場の状況を動画やデータのやり取りを職員間、災対本部、東予地方局と今治支局とで行い、リアルタイムに確認、一斉指示ができる体制を確立しました。

 また、新たな取り組みとして、災害時の通信対策としてスターリンクという衛星を使用しての通信訓練を行いました。

 その結果、停電、光ケーブルの断線や基地局のアンテナ倒壊等により既存の通信手段が途絶した際の安定した回線として非常に有効だということが検証できました。

 さらに避難訓練と同時に、自衛隊松山駐屯地による炊き出し、日本赤十字社の防災講演と足湯体験や地域防災マネージャー講話など、関係機関の協力により多くの自主訓練が各地区で開催されました。

 上島町としては、毎年行う防災訓練で現状の確認を行い、マンネリ化しないよう新たな取り組みを取り入れ、防災意識の向上や自主防災組織の育成を図り、自衛隊や県など関係機関との連携をさらに深め、災害に備えてまいります。

 6月3日に北海道利尻町において、令和6年度全国離島振興協議会通常総会が開催されました。斉藤国土交通大臣の代理として筒井智紀国土交通省国土政策局審議官、石原宏高自由民主党離島・半島特別委員会委員長、武部新自由民主党離島・半島特別委員会事務局長代理や、山本博公明党離島振興対策本部長、横山信一公明党離島振興対策本部長、鈴木宗男参議院議員、鈴木直道北海道知事をはじめとする数多くの来賓の出席がありました。

 この総会では、離島振興法関係五法の趣旨による「令和6年度全国離島振興協議会通常総会決議」や「離島交通政策の抜本拡充に関する特別決議」が議決され、都道県支部・市町村提出議題とともに、今後、関係省庁に対し要望してまいります。

 また、今回は一部役員の改選があり、新たに荒木屋久島町長が会長に選任されましたので、私も引き続き副会長として上島町のみならず、全国の離島の先頭に立って離島の課題を解決できるよう取り組んで参ります。

 さて、5月22日から23日にかけて、国の令和7年度予算の骨格となる「骨太の方針策定」に間に合うよう、上島町の現在と未来の課題をしっかりと網羅した上島町重要施策要望書を持ってくるし、総務省・国交省・デジタル庁など各省庁25箇所42名、愛媛県選出国会議員等とお会いし陳情活動を行いました。

 その内容は

(1)こども・子育て政策の支援について 

(2)安心した出産・子育てができる環境整備について

(3)観光推進事業の支援について 

(4)ゆめしま海道周遊観光の推進における道路施設整備について

(5)「島」と「海」を結ぶ賑わい空間施設の整備について

(6)離島留学制度への支援について 

(7)移住・定住促進及び関係人口創出への支援について 

(8)離島のDx推進等への支援について

(9)離島医療の充実について

(10)離島補助航路の指定緩和について

(11)離島における燃油類の格差改めるについて

(12)歴史文化遺産の調査と保存・活用について

(13)成年後見制度の利用推進について

 であり、議長と副議長も同行していただきました。

 今後は実施に向けて、さらなる要望活動を続けてまいりますので、ご支援のほどよろしくお願い申し上げます。

 続いて、第三セクターの令和5年度の運営状況ですが、株式会社いわぎ物産センターは、営業、製造部門とも物価高騰の影響を受け前年度より苦戦したものの、経費節減等に努め利益を確保することができました。

 全体では、売上高1億4,560万円であり、対前年比97.3%、当期純利益は約270万円となり、健全な経営に努めています。

 次に株式会社いきなスポレクについてですが、スポレク職員の懸命な経営努力により、営業損益として過去10年で一番良い約560万円の黒字を達成し、令和4年度に続き2年連続で安定した運営ができました。

 しかし、現在でも前の経営陣が上島町から借入れ、30年間の返済契約をしてしまった借入金が未だ約2,330万円残っている状況であり、これが経営の足枷になっておりますが、引き続き、利用促進、経費削減に努めてまいります。

 さて、今回上程している一般会計補正予算についてですが、物価高騰の影響を受けている低所得世帯を支援する物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金事業として、本年度新たに住民税非課税か住民税均等割のみ課税となる世帯に対し、1世帯当たり10万円を給付いたします。

 また、6月に始まる所得税と住民税計4万円の定額減税を、減税しきれない方へは調整給付金として、その差額を1万円単位で給付することが主な内容になっています。給付時期については、可能な限り早くに給付開始できるよう対応してまいります。

 結びに、愛媛新聞の5月24日版に、「平成の大合併」が始まった2003年を境とする、40年間で人口がどう変化したかという記事が掲載されています。

 愛媛県全市町の人口が減少しているように、残念ながら上島町も同じ状況です。

 しかし、合併前の20年間と合併後の20年間を比較すると、愛媛県内で唯一、旧弓削町と旧岩城村の増減差がいずれもプラスであり、減少が緩やかになっています。

 これは、上島町の行政運営や方向性、将来計画が適正であるとの裏付けであり、何よりも町民の皆さんのご理解とご協力の賜物だと考えています。

 皆さんは、昨年度の上島町への県外からの移住者は過去最高の57名(県内を含むと67名)であり、3年間で165名(県内を含むと189名)が上島町に移住している事をご存知でしょうか。

 これは、6千人余りの上島町における移住者の占める割合で示すと2月7日%となり、県都である松山市は1月6日%であることから、小さな自治体である上島町に対する移住希望者の注目の高さ、そして移住定住支援の充実度がうかがえる結果です。

 加えて、インバウンドのお客様が前年度比450%増の、1,356人も上島町を訪れてくれているように、今後は町内地場産業の支援育成や福祉・教育政策の充実はもちろんですが、町外や海外からのお客様誘致などの観光や、移住・定住促進など、交流人口の増加と「実需拡大」を視野に行政運営を進める事が、上島町の歩むべき道であると考えています。

 

 本日は、条例案3件、補正予算案5件、その他7件、計15件の議案を上程しております。

 個々の議案につきましてはそれぞれの時点でご説明させていただきますので、よろしくご審議の上、適正な決定を賜りますようお願い申し上げます。

                  上島町長 上村俊之