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令和5年度 12月定例議会 町長行政報告

印刷用ページを表示する掲載日:2024年1月10日更新ページID:0023701

令和5年度 12月定例議会 町長行政報告

 みなさん おはようございます。

 新型コロナの感染症法上の位置づけが「5類」に引き下げられて迎えた今年の秋祭りは、形を変えながらも多くの地区で発生前の活気ある姿に戻ってきました。

 CATVのおかげで、普段見ることのない各地区の祭りの本質を知ることができ、込み上げる感動と共に上島町には素晴らしい伝統や歴史が豊かに息づいていることを再認識することができました。

 本日は令和5年第4回定例議会を招集いたしましたところ、全員の出席をいただき誠にありがとうございます。行政報告として9月定例議会後の主な事項のみを報告させていただきます。

 9月16日から魚島大運動会を皮切りに、各地において運動会が開催されました。子供達の熱意に溢れた選手宣誓や、練習を積み重ねた演技などを目の当たりにし、まるで大人の私たちへの応援のような感動がありました。

 9月22日から久司浦地区をスタートとし、11月21日の佐島地区まで、まちづくり懇談会を町内10ヶ所で開催いたしました。

 コロナの関係で断念した年もあった事から、関心が薄れているのではと心配していましたが、各地区とも的確なご意見や熱心な協議が数多くあり、町民の皆さんと直接対話をすることの大切さを痛感いたしました。

 皆さんからの要望や提案の中で、必要と判断された施策は予算化に取り組み、その場でお答えできなかった案件については、区長さんまで早くに文書で回答する準備をしています。

 9月23日には弓削商船高等専門学校の卒業式並びに、高専制度創立60周年記念植樹式が開催されました。前身である弓削海員学校から数えると120年を超える伝統の学び舎が、この上島町に存在すること自体が私たちの誇りであり、創設していただいた先人の皆さんに、時を超えて感謝をお伝えしたいと思います。

 10月6日には4代目となる弓削商船高等専門学校練習船の進水式に参加させて頂きましたが、その船の能力の高さに驚くと共に、新たな歴史の始まりに感激いたしました。

また、先人に負けないほどの情熱を、この歴史ある学校に注がなければならないことを再認識しました。

 9月26日から29日にかけて、島づくりのリーダーの育成を目的に日本離島センターが主催する第31回島づくり人材養成大学が上島町で開催され、私も一部に参加させて頂きました。

 今回、北は北海道、南は沖縄県までの全国の離島で活躍する34名が来町し、上島町からの4名と共に「それぞれの島で、自分が何が出来るか」をワークショップ等により研修されました。

 上島町での学びの元、受講生の皆さんが今後、島のリーダーとして活躍されることを祈っています。

 10月9日、弓削高校生が企画した「Let‘sゆめしまサイクリング~人と人 繋ぐは島の 橋と橋~」のE-Bikeガイドツアーに参加しました。

 これは自転車を活用して地域課題解決に取り組む高校生たちが、サイクリングを通じて「ゆめしま海道」の魅力を広く伝え交流人口を拡大することを目的としています。

 当日は、サイクリング講習を受けた高校生たちが、自分たちで考案したおすすめスポットを巡りながら安全にガイドをし、その場で高校生が解説も行いましたので、町外からの参加者に上島町のポテンシャルの高さを知っていただくことができたのではないかと思います。

 10月10日には大分県の姫島村という離島を視察させて頂きました。

 姫島ITアイランドセンターでは、IT企業を誘致するなどIctを活かした産業振興や交流人口の拡大にも取り組んでいるということが特徴的で、さらには、超小型モビリティの実用実験を兼ねた電気自動車のレンタカー事業が行われおり、小さな離島でありながらITの先頭を走る姫島村に大いなる刺激を受けたところです。

 10月12日から15日、台湾の『日月潭come!Bikeday!』にしまなみジャパンの一員として参加し、ゆめしま海道のPRを行ってまいりました。

 現地では、Giant本社を訪問するなど、自転車新文化を肌で感じ、サイクルツーリズムの重要性を再確認すると共に、カーボンニュートラルを目指す世界的な取り組みを知ることができました。

 10月17日から21日にかけて、日本離島センターが開催する海外離島調査として、大韓民国南部の離島を持つ3つの自治体の新安郡・木浦市・麗水市などの視察研修がありました。

 私は、仕事の関係で途中参加になりましたが、麗水市 チョン市長への表敬訪問や、麗水市南部の離島であるクモドのキム クモド長やアンドのキム協同組合長による離島での取り組み事例の紹介など、研修や情報交換はもちろん、各地において温かい歓迎を受けました。

 この他にもチェジュ島の資源環境センターやエネルギー公社など、先進的な再生可能エネルギーの取り組みなどの事例を視察させていただきました。

 近年、大韓民国は離島振興に力を注いでおり、韓国島振興院による離島施策推進の一環として、2026年には麗水市で世界島博覧会が開催されます。離島を世界中に発信する良い機会であり、大韓民国のみならず世界中の離島の更なる発展に期待を寄せています。

 10月28日、「ねんりんピック愛顔のえひめ2023総合開会式」に出席し、翌日には「ねんりんピックウォークラリー交流大会」を上島町で開催しました。

 ねんりんピックは60歳以上の方々を中心としたスポーツ・文化などのイベントを通じて幅広く交流を深めることを目的としている大会で、上島町には全国から40チーム199名の参加があり、愛媛県代表として上島町内各地区から5チームが参加し、魚島チームがみごと優勝という結果を収めました。

 ご協力いただきました地域の団体や学生ボランティアなどの多くの方々のおもてなしのおかげで、世代を超えた温かい交流を楽しんでいただけたことに感謝申し上げます。

 10月31日及び11月15日に離島振興関係予算確保に関する要望運動を行いました。

 その目的は、令和6年度国家予算の編成にあたり、かかる離島の実情と離島の果たす国家的国民的役割を十分に賢察して頂き、関係事業予算の確保につき特段の配慮を求めるものです。

 その内容は、「離島振興関係公共事業費」「離島活性化交付金、スマートアイランド推進実証調査費」「へき地保健医療対策予算」の確保など18項目にわたり、国の関係副大臣や局長並びに衆参国会議員及び主要関係各省庁等へ要望書を持ってくるして陳情致しました。

 11月1日、昭和28年に制定公布された離島振興法並びに全国離島振興協議会設立70周年を迎えた本年、離島振興70周年記念功労者表彰式が開催され、離島振興に大きく貢献された方々に国土交通大臣表彰、全国離島振興協議会会長表彰の授与が行われました。

 上島町からは、誠実で献身的な対応と地域医療の向上に著しくな貢献をしていることから、岩城診療所の福井康太郎先生が国土交通大臣表彰を受賞されましたが、当日は地元診療のため授賞式に出席することが叶わず、同じく受賞した私が代表し受け取ってまいりました。

 11月3日、宇和島で執り行われた、山本公一前衆議院議員の葬儀に参列させて頂きました。選挙区の異なる先生ですが、岩城橋架橋実現においても多大なお力添えをいただきました。その懐の深い配慮と人柄を表す笑顔を忘れる事ができません。

 11月4日から5日にかけて、文化協会支部統一に伴い、各地区持ち回りで開催している上島町文化祭が、初めて魚島地区で開催されました。

 作品や芸能発表会も素晴らしい内容でしたが、魚島地区のことを大勢の町民が知っていただく良い機会になったのではないかと思います。

 11月11日、いわぎリモーネプラザで開催されたFolk Jamboree(岩城)を鑑賞させて頂きました。

 今回の驚きは、造船の仕事一筋だと思っていた方が、ハイテクニックなギターを奏でたり、初めての出演で心を揺らす歌声の持ち主がいたり、新たな感動が多くあったことです。

 このイベントは、(株)いわぎ物産センターと文化協会の岩城洋楽部の共催で開催された手作りの音楽イベントであるとお聞きしていますが、音楽を通して地域を盛り上げていただく皆さんに、この場をお借りして感謝申し上げます。

 11月12日、「Yumeshima Cycling Day 自転車と島グルメを楽しむ日」を開催しました。

 愛媛県では、より多くの県民が自転車に親しみ、サイクリングを楽しむ一日とするため、11月第2日曜日を「愛媛サイクリングの日」とし、県下20市町で様々なサイクリングイベントを開催しています。

 上島町では、町民の方にもっと自転車を知っていただき、触れる事を目的に、しまなみエリアで自転車のレンタルをしている事業者にも協力を仰ぎました。

 国産ロードバイクやスタイリッシュな折り畳み電動自転車、小さな子ども用のキックバイクなど多種多様な自転車、また、通学用やカジュアルユースなヘルメットなどを用意したところ、試乗体験やガイドツアーに町内外からのご参加があり、多くの方に自転車の楽しさを知っていただく機会となりました。

 11月15日、全国町村長大会が開催され、岸田総理や額田衆議院議長など来賓多数の出席のもと、「少子化対策を推進し、こども・子育て政策を強化すること」など17項目の要望を決議しました。

 また、同日には海事産業の未来を共創する全国市区町村長の会に出席し、「人材確保・育成の取組みの推進」など3項目の要望を自由民主党及び公明党の衆・参国会議員に行いました。

 11月16日、水産業振興・漁村活性化推進大会が開催され、武村農林水産副大臣や衆参農林水産委員長などの来賓多数の出席のもと、「原油価格および物価高騰への機動的な対応」「漁業経営安定対策の強化と人材の確保・育成」「活力ある漁村づくりと水産基盤整備の計画的推進」「資源管理による持続可能な漁業・養殖業の確立」など上島町にも関連深い要望も含めた全11項目の要望を決議しました。

 11月25日、26日の2日間、多用途支援艦「げんかい」の乗船体験や艦艇見学など、海上自衛隊の広報活動が上島町で開催されました。

 町民の皆さんもご記憶にあるように、この支援艦「げんかい」は、平成30年7月豪雨時に給水支援等で大変お世話になった部隊の艦艇です。

 呉警備隊の岡見司令や武藤艦長などにご案内をいただき、多くの隊員の皆さんにもお会いすることが出来ましたので、改めて当時のご貢献に感謝を伝えさせて頂きました。

 

 さて、今回上程している一般会計補正予算についてですが、国の令和5年度補正予算案において、重点支援地方交付金が追加計上されたことにより、早期執行が必要なことから、まずは、物価高騰に直面する低所得世帯に対する支援事業を計上いたしました。

 なお、エネルギー・食料品価格等の物価高騰の影響を受けた生活者や事業者に対し支援を行う、推奨事業メニューについては、正式な制度要綱や交付限度額等が示されましたら、適切な時期に予算計上を行います。

 次に、上島町の令和6年度の当初予算についてですが、11月1日に「予算編成方針」を全職員に通知しました。

 予算編成の基本的な考えとして、「入(い)るを図りて出(い)ずるを制す」という財政規律を基本に、予算編成が全事務事業の洗い出しでもあることから、コスト意識を持ち、先例にとらわれることなく、住民目線・家計目線で積極的に事業の見直しを進め、Pdcaサイクルに基づき、成果と課題を検証することにより、スクラップ&ビルドを徹底することとしております。

 過去の、平成29年度から令和2年度決算までに、基金(定期預金)が約8億円も減少するなど、厳しい状況に陥った上島町の財政も、このような財政規律を基本に立ち戻った結果、この3年間で徐々に持ち直しています。

 具体的に数字で表しますと、私が就任した令和2年度から令和4年度決算までに、定期預金に例えられる基金を約1億1,300万円積み増しができたこと、さらには町の借金である地方債残高は14億6千万円減少など、将来への負担も軽くなってきています。

 ただ、株式会社いきなスポレクが令和元年に作った借金2,600万円を、今の職員が懸命の努力により返し続けていることも忘れてはなりません。

 今後も上島町の将来のため、未来を担う子供達のためにも、健全な財政運営に努めてまいりますので、議会や町民の皆さんのご理解とご協力をお願い致します。

 

 結びに、中村知事は12月4日、湯崎広島県知事と本州四国連絡高速道路の後藤社長との「瀬戸内しまなみ海道沿線の地域活性化を考える懇談会」において、「サイクリストを活用しながら、しまなみ海道の自動車の通行台数を増やす視点が重要。その方法として、弓削島、佐島、生名島、岩城島をつなぐ『ゆめしま海道』の活用」を提案されました。

 これは、ゆめしま海道にサイクリングを生かした観光コンテンツ開発が必要であり、そのポテンシャルも十分にあるということの表れですので、上島町もこれを受けてしっかり取り組まなければならないと考えています。

 今後も堅実な行財政運営はもちろんですが、以前からお伝えしている、上島町の「シー・オブ・ドリームス」も含め、その約束実現へ向け全力で頑張りますので、よろしくお願い申し上げます。

 

 

                  上島町長 上村俊之