令和5年度 6月定例議会 町長行政報告
令和5年度 6月定例議会 町長行政報告
みなさん おはようございます。
五月晴れから梅雨になり、夏を迎える楽しげな風景など、日本の季節を代表する時候になってまいりました。
本日は令和5年第2回定例議会を招集いたしましたところ、全員の出席をいただき誠にありがとうございます。
3月定例議会後の行政活動内容や資料についての詳細は時間の関係上、上島町ホームページ内の町長活動報告に代えさせていただき、この場においては主な事項のみを報告させていただきます。
まず、上島町の新型コロナウイルス感染症への対応ですが、政府が5月8日より2類から5類に変更し、例えでいうとインフルエンザと同じ位置付けになりました。当日からは上島町コロナ感染症対策本部から健康推進課に担当変更しておりますので、ご質問等があれば健康推進課までお問い合わせ下さい。もちろん、各支所においても対応できます。
さて、今年に入っても更にサイクリング関連の行事が多く、それぞれ参加させていただきました。
3月19日には、上島町観光協会主催のサイクリングイベント「ゆめしまサイクル」が開通1周年記念として、4年ぶりに開催されました。
3月25日、今治市サンライズ糸山において「グレーターしまなみ・えひめ推進協議会設立総会」が開催され、しまなみ海道と隣接する本県側の交通結節点である松山空港、東予港を結んだエリア内に、広域サイクルツーリズム圏域を形成することになりました。これは、サイクリングを切り口として、広島県側からの人流引き込み、通過型から「滞在型」観光への転換を促進し、実需の創出ステージへと飛躍させることを目的とするものです。
今後は、愛媛県主導のもと、同圏域にまたがる松山市、今治市、西条市、上島町の行政・観光商工団体・本四高速等が協力し、圏域の強みを生かして、交流人口の拡大と実需の創出を図ってまいります。
3月30日、今治市上浦において、一般社団法人しまなみジャパン理事会が開催されました。この会の目的は、しまなみ海道エリアの活性化はもとより、上島町ゆめしま海道への集客であり、世界中の方々に訪れていただくエリアの一翼として、引き続き、上島町のPRに取り組んでまいります。
4月26日、今治市においてSetouchi Velo協議会による「今治ミーティング」が開催されました。この協議会は、瀬戸内圏域全体を自転車で自在に周遊できる、世界に誇るサイクリングの推進エリアとするため、瀬戸内圏8県と経済連合会、地方整備局や地方運輸局など約30団体で構成されています。
上島町ゆめしま海道もSetouchi Veloに登録され、本町においても安全なサイクリング環境を更に整備していくと共に、町内におけるサイクリスト受入態勢を整えてまいります。
他にも、6月7日は、東京での自転車を活用したまちづくりを推進する全国市区町村長の会総会などにも参加し、自転車によるまちづくりに向けて、上島町はペダルを漕ぎ続けています。
皆さんもご案内のように、平日においてもサイクリング関連のお客様が上島町「ゆめしま海道」に多く訪れていただけるようになるなど、実需として良い成果が現れています。
今後も観光や交流、それに伴う経済活動に力を入れてまいりたいと考えておりますので、町民の皆様も今までと変わらぬ、明るい「愛顔」での対応をよろしくお願いします。
3月22日には、上島町と株式会社愛媛銀行及び株式会社クラダシとの「上島町における連携協定」の締結式を行いました。
この協定は、SDGsの推進に係る食品ロス削減に対する意識の向上に加え、担い手不足による未収穫産品の解消、食品ロス削減に向けた消費行動への変容を促すこと及び、上島町の特産品PRと活性化を図ることを目的としています。
また、当協定の事業の一環として全国の大学生6名が上島町で農作業のインターンシップを実施しました。収穫したレモンは学生が手紙を添えて箱詰めし、株式会社クラダシの運営するインターネットサイトから全国のお客様に届けられます。
3月17日の魚島中学校を皮切りに、各保育園・小学校・中学校・弓削高校などの卒業式や入学式において祝辞を述べさせていただきました。新たなる門出の度に新鮮な感動を覚えていますが、特に本年、魚島に5名の離島留学生を迎えたことは、上島町にとって重要な出来事になりました。子供達は現在も学校への急な坂道を元気に通ってくれており、魚島に新たな活力が生まれています。
来年度には、弓削高校の寮の完成により新たな離島留学生を迎えることになりますので、町民の皆様のご理解とご協力をよろしくお願い致します。
3月28日には、新生児誕生記念品贈呈式を開催いたしました。国はやっと「異次元の少子化対策」を打ち出しましたが、新生児は「異次元の可愛さと癒し」をもたらしてくれる、町民全ての宝です。上島町は子育てに対し、引き続き重点項目として取り組んでまいります。
3月25日から4月9日の間、岩城積善山周辺にて、いわぎ桜まつりが開催され、4月2日には、4年ぶりの開催となるメインイベントが催されました。メインイベント開催当日には、町内外から約2,000人の来場者があり、イベント会場では心地の良い気候の中、花見だけでなくステージ出演者による演奏やダンス、ゲームで大いに盛り上がりました。
また、ステージ前広場ではバザーや地元産品市場が開かれ、訪れた大勢の方が特産品や食事を楽しまれ会場は桜と笑顔で溢れていました。
さらに今年はNHK のDocument72hours「瀬戸内海桜の島で」にも取り上げられ、島民の桜に対する想いが見事に描かれていました。ご案内のように、テレビの影響力は大きく、今後は更に全国区の観光地になりますので、受け入れ態勢の準備をよろしくお願いします。
4月6日には愛媛県庁や関係機関を、12日には四国高松の整備局や運輸局、財務局などへ、19日からは東京において各省庁や国会議員への新年度の挨拶回りを実施し、情報収集と要望活動を行いました。
また、新たな試みとして、4月8日に広島マツダスタジアムでのカープ対巨人公式戦において観光PRと物産販売を行いました。お客様が途切れる事なく、想像以上の売り上げと宣伝につながり、広島カープ営業部担当者の方から高い評価をいただきました。このイベントには継続して参加したいと考えています。
5月12日には、ねんりんピック笑顔の愛媛2023上島町実行委員会総会を開催しました。ねんりんピックというのは、高齢者の皆様が、人生100年時代と言われる長寿社会をいきいきと「愛顔(えがお)」で暮らしていけるよう、健康や生きがいを実感でき、全国から参加される高齢者に皆さんと地元民との交流や、様々な世代間のふれあいを通して、地域共生社会の実現を目指すことを目的に開催されるものです。
上島町では、10月29日に「上島町ウォークラリー交流大会」の開催が決まっています。今回の実行委員会は、各種団体の協力のもと、大会意識の高揚と成功を期するために設立したもので、委員として、議会や老人クラブ等代表者に集まっていただいて、大会を円滑に運営していくための会則等の確認を行いました。
大会には全国から大勢の参加者が集まります。上島町民の皆様の「おもてなしの心」を発揮していただくよい機会ですので、ご協力よろしくお願いいたします。
5月13日には、令和5年度愛媛県植樹祭が愛媛の森林基金と上島町の共催により開催されました。この植樹祭は森林の公益的機能と緑化思想の普及啓発を図るため、愛媛県内の市町の持ち回りで毎年開催され、町外からも約200人の出席がありました。
式典では、緑の少年団により「自然の大切さを知り、緑を守り育てます」という力強い誓いの宣誓が述べられ、引き続き行われた記念植樹では、緑の少年団代表と主催者、来賓などによって、岩城幸峠(さいのとうげ)で桜の苗木の植樹を行いました。2023年の県緑化キャンペーンテーマ「愛媛から 未来へ緑を つないでく」のように、未来の上島町のために、皆さんも、緑化の大切さを学び、緑を守っていくようご協力をお願いいたします。
5月22日から23日にかけて、上島町の重要施策について国に対して要望活動を行いました。これは例年7月に実施していましたが、6月の骨太の方針策定に間に合うように期日を変更したものです。
その内容は
(1)人口減少対策への支援について
(2)移住・定住促進及び関係人口創出への支援について
(3)水産業振興への支援について
(4)離島留学制度への支援について
(5)地域拠点施設(道の駅等)の整備について
(6)歴史文化遺産の調査と保存・活用について
(7)離島のDX推進等への支援について
(8)離島補助航路の指定緩和について
(9)離島医療の充実について
(10)離島における燃油類の格差是正について
(11)島内道路における道路構造物整備について
(12)ゆめしま海道周遊観光の推進における道路施設整備について
(13)「島」と「海」を結ぶ賑わい空間施設の整備について
であり、これら要望は上島町の現在・未来の課題をしっかりと網羅しており、議長と連名で提出させていただきました。
今後は実施に向けて、さらなる要望活動を続けてまいりますので、ご支援のほどよろしくおねがいいたします。
5月28日には上島町総合防災訓練を実施し、多くの町民の方々にご参加、ご協力をいただき無事に訓練の目的を達成しました。
今回の訓練では、新たに、自治体向けコミュニケーションツールである「LoGoチャット」を職員間、災対本部との連絡網として活用し、通信訓練を行いました。避難状況や、職員の活動状況をリアルタイムで確認でき、災害時に有効なツールとして活用できると感じています。また、昨年に引き続き「Zoom」を活用した中継訓練を今年度は新たに松山港湾・空港整備事務所、東予地方局、今治支局とも中継し、リエゾン派遣依頼や応援要請等の訓練を行い関係機関との連携を高めました。
また、昨年度に引き続き、陸上自衛隊(松山駐屯地 中部方面特科隊 隊員10名、ジープ3台、トラック1台)による炊き出し訓練が下弓削地区で実施されました。
さらに、想定外の災害発生に対応できるようブラインド訓練も継続実施し、関係職員の臨機応変な対応育成を試みています。上島町としても、防災訓練を契機とし、町民の皆さまの防災意識の向上を図るとともに、自衛隊や県など関係機関との日々の相互連携をさらに深め、災害に備えてまいります。
5月29日に沖縄県那覇市において、令和5年度全国離島振興協議会通常総会が開催されました。古川康国土交通大臣政務官や山本博公明党離島振興対策本部長、玉城デニー沖縄県知事をはじめとする数多くの来賓に出席をしていただき、離島振興法改正の重要性や離島における共通認識を再確認致しました。
総会において私は、「国の離島振興基本方針に基づく事項の完全実施」をはじめとする「令和5年度全国離島振興協議会通常総会決議」26項目の読み上げをし、満場一致で可決されました。
この他に決議された、「離島航路・航空路支援の抜本拡充に関する特別決議」とともに、今後、関係省庁に対し要望してまいります。
また、今回は役員任期満了に伴う役員の選任等の議決が行われ、私は副会長として再任されましたので、新たに会長となられた野口長崎県五島市長とともに、上島町のみならず、全国の離島の先頭に立って離島の課題を解決できるよう取り組んで参ります。
以上の報告の他にも、新年度ゆえの来町者が多くあり、今後の方向性についてなどの協議を重ねました。
続いて、第三セクターの令和4年度の運営状況ですが、株式会社いわぎ物産センターは、営業部門において昨今の物価高騰のあおりを受け苦戦しましたが、製造部門や売店部門、喫茶部門で昨年度の売り上げを大幅に上回っています。
全体では、売上高1億4,968万円であり、対前年比108%、金額にして1,100万円ほどの売上げ増、経常利益が約740万円となり、健全な経営に努めています。
次に株式会社いきなスポレクについてですが、平成30年度には、約7,440万円の赤字、スポレク単体においても1,070万円の赤字、それ以降も赤字経営を記録していましたが、令和4年度は新型コロナの影響がある中、営業損益として約400万円の黒字に転換することができました。
このように、堅実な経営と職員の努力により、スポレクの決算は良い方向に持ち直してまいりました。
しかし、旧経営陣による令和2年度の上島町からの借入れが2,600万円、現在でも令和31年度までの返済金約2,420万円が残っており、今後の経営の足枷になっていることは言うまでもありません。
ご案内のように施設管理においては、現在、原油価格や物価高騰のあおりを受け厳しい環境に置かれています。このような状況から、運営資金である指定管理料については、第三セクターだけではなく全ての施設において、見直す必要があると考えています。
さて、今回上程している一般会計補正予算についてですが、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用した事業を中心に計上しています。
主な内容は、物価高騰の影響が大きい低所得世帯への負担を軽減するための支援として「電力・ガス・食料品等価格高騰重点支援事業」を実施し、1世帯あたり3万円を給付する施策です。
また、エネルギー・食料品価格等の物価高騰の影響を受けている町民の皆さまに1人当たり5千円分の商品券を配布する予算です。
その他、事業者支援としても、「飼料価格高騰対策事業」、「福祉施設及び医療施設物価高騰対策緊急支援事業」を計上しており、物価高騰の影響に対し効果的に対応したいと考えています。
結びに、いよいよ5月より生名橋車道等拡張工事がスタートしました。2011年に1.5車線で生名島と佐島を繋いでいただき、生活の利便性は飛躍的に伸びましたが、大型車が離合できないなどの不便性と危険性が含まれていました。2022年、新たに3本目の岩城橋が完成し、そのわずか1年ほどで生名橋を2車線(片側1車線)とする工事が始まることは、上島町民にとって大変ありがたく、愛媛県の地方へのご高配に心から感謝しています。
上島町はこれに応えるべく、町民一丸となって上島町の発展に更なる力を注ぎ、観光客を含めた交流人口の増加に努め、我がふるさとの魅力を全国に伝えなければならないと考えています。
上島町長 上村俊之