令和4年度 3月定例議会 町長行政報告
令和4年度 3月定例議会 町長行政報告
みなさん おはようございます。
まず初めに、お亡くなりになられた方が4万人を超えるトルコ過去最大の南部地震に対し、被災された皆様方に心からのお見舞いを申し上げます。
ご案内のように、今回の震災対応は長期間になります。
2011年の東日本大震災時に、我が国もトルコをはじめ諸外国から温かいご支援をいただいたように、被災地への対応は人道上においても大変重要です。
上島町においても、2月6日地震発生3日後の2月9日から町内各支所等で募金を募っておりますので、上島町民皆様のご理解とご協力をよろしくお願い申し上げます。
また、ウクライナ侵略は2月24日で1年が経過してしまいました。今この時点でも、罪のない子供たちが犠牲になっており、極寒の大陸で電気も途絶え、耐え続けている民間人が多く存在しています。
平和な国日本に暮らす私達は、このウクライナの問題に目をそらすことなく、引き続き関心を持ち続けなければならない存在だと考えています。
本日は令和5年第1回定例議会を招集いたしましたところ、全員の出席をいただき誠にありがとうございます。
12月定例議会後の行政活動内容や資料についての詳細は時間の関係上、上島町ホームページ内の町長活動報告に代えさせていただき、この場においては主な事項のみを報告させていただきます。
昨年は新型コロナウイルスの影響により、「ゆめしま海道駅伝大会」など様々な行事が中止となりましたが、本年は「上島町20歳を祝う会」や「消防出初式」など、3年ぶりに開催できる環境が整ってきました。
「上島音楽祭」も7年ぶりに開催することができ、瀬戸内の島々に明るいメロディーが響き渡りました。特に上島町出身アーチストによる中学校校歌のアレンジ曲は斬新で、感動を覚えました。
政府が新型コロナウイルス感染症に対し、5月8日より2類から5類に位置付け変更すると決定したように、令和5年度が上島町の経済や行事などにおいて以前のような活気を取り戻せることを願っています。
令和が5年に明けた1月15日から17日にかけて上京し、各省庁や議員会館等へ昨年の御礼と上島町の重点施策に対する陳情を実施してまいりました。新年度に向けて自治体DXの推進、地域おこし協力隊制度の充実等、最新で多くの情報を得ることができましたので、上島町の担当課と共有することで今後の施策に活かしてまいります。
さて、昨年10月以降、町民の皆様をはじめ、ご関係の皆様に多大なるご迷惑とご心配をおかけしました事件ですが、1月24日、関係者の懲戒処分の公表を行いました。さらには、入札制度の見直し、職員倫理規程の整備など、現在、職員一丸となって再発防止に努めております。あわせて、町政運営を指揮する責任者として、自戒のため、私の給料の10分の2を3か月減額する条例を本議会に上程しているところです。今後も引き続き町民の皆様の信頼回復に向け、誠心誠意取り組んでまいりますのでよろしくお願い致します。
1月23日には岸田首相が施策方針演説を行いました。その中に「社会課題を成長のエンジンへと転換し、持続的な成長を実現させる。この考えの下、科学技術・イノベーション、スタートアップの育成、GX(グリーン・トランスフォーメーション、GXへの投資)、DX(デジタル・トランスフォーメーション、DXへの投資)の四分野に重点を置いて、官民の投資を加速させます。」とあるように、上島町においてもデジタル技術の社会実装により、上島町民にとってより良い環境づくりを進めてまいります。
また、岸田首相は「異次元の少子化対策」を打ち出しておりますが、いち早く中村愛媛県知事も2月15日の愛媛県・市町連携推進本部会議において「えひめ人口減少対策重点戦略に基づく新たな取り組みについて」を提案され、様々な施策を協議していただきました。あわせて、県知事と20市町の首長により、愛媛県の出生数の反転増加を目指すなどの4つの目標を柱にした「人口減少対策協働宣言」に署名も行いました。
今後上島町においても、この国の方針を基軸とし、国と県と町を「つなぐ」政策に取り組んでまいります。
続いて、令和5年度上島町の当初予算についてですが、その編成に当たっては、感染拡大の防止と、地域経済活動の両立を図るとともに、教育環境の整備など公約の実現に向けた取組みを進めることを予算編成方針とし、上島町の一般会計当初予算の総額は72億3,900万円と、前年度に比較して5億2,600万円、7.8%の増としております。
特別会計と企業会計を含めた町全体の予算総額については、111億1,864万5千円で、前年度に比較して4億3,370万1千円、4.1%の増となりました。
歳入では、歳入総額の約5割を占める地方交付税が、国の地方財政対策及び前年度実績から32億2,200万円で前年度比2億100万円、5.9%減と見込んでいます。
一方歳出では、人件費、扶助費、公債費を合わせた義務的経費を、28億9,196万円で、前年度比マイナス4,532万円、1.5%減としております。今後も、この義務的経費を削減することで、経常収支比率(令和3年度決算:89.1%、県下第14位)の改善に努め、財政構造の弾力性を高めてまいります。
昨年3月の行政報告において、令和4年度の新規事業の提案として「上島町唯一の県立高等学校である弓削高等学校の存続へ向け、県外からの学生を確保する為の学生寮整備。」及び「公共施設への脱炭素化の取り組みや災害対応として、岩城庁舎の屋上に太陽光発電設備と蓄電池設備の整備。」と掲げました。
学生寮については、現在、建設場所となる中央公民館の解体や学生寮の詳細設計に取り組んでいることはご案内の通りです。新年度では、本格的な建築に向けた予算約6億円を計上しています。
また、岩城庁舎の屋上に設置する太陽光発電設備と蓄電池については、順調に工事も進み、2月末に完成し、電気料金の節減や災害対応用の蓄電につなげてまいります。なお、令和5年度当初予算において、地球温暖化対策の一環として、約1,100万円を計上し、公共施設への太陽光発電設備導入調査を行う予定としております。
その他の重点事業として、
〇魚島小中学校の存続、及び地域の活性化を図るため、魚島離島留学事業の推進。
〇子育て支援として、昨年10月から子ども医療費無償化を18歳以下まで拡充したことに加えて、出産・子育て応援金の給付。
などを提案しております。
このように、本町が将来にわたって持続可能な行政運営を行っていくため、今後も更なる行財政改革を推進するとともに、新たな財源の確保、事業の見直し、公共施設の統廃合などに取り組んでいく必要があると考えています。
結びに、ゆめしま海道が全線開通し1年が経過しようとしています。岩城橋の開通で、より大きな相乗効果が生まれ、町外からのお客様も交流人口、その先の関係人口として予想以上に多くなっています。
上島町は特色ある島々の一体化により、潜在していた魅力に光があたりつつあります。インバウンドのお客様の関心はもとより、「瀬戸内海の時代」がいよいよ現実となっています。
ここ数年が上島町の将来を占う大事な期間です。上島町民がワンチームとなって一つの方向に進むことが重要ですので、議会をはじめ町民の皆様方の一層のご協力をお願い申し上げます。
本日は、条例案11件、補正予算案13件、当初予算案16件、その他10件、計50件の議案を上程しております。
個々の議案につきましてはそれぞれの時点でご説明させていただきますので、よろしくご審議の上、適正な決定を賜りますようお願い申し上げます。
上島町長 上村俊之