令和4年度 12月定例議会 町長行政報告
令和4年度 12月定例議会 町長行政報告
みなさん おはようございます。
今年の秋祭りは、新型コロナの影響で神事のみという地区もありましたが、太鼓が響き渡る地区も増え始め、上島町が活気ある姿に戻りつつあることに明るい希望を感じています。
はじめに、9月19日にご逝去された河端副町長に謹んで哀悼の意を表します。役場職員時代から、公平で公正な町行政運営を貫かれ、優しさの中にしっかりとした信念を持ち続けていた姿は、公務員の鏡でした。
先日も仏壇にお参りをさせて頂き、笑顔に満ちた遺影に対面しました。その横にその日の朝刊があるのを不思議に思い、奥様にお伺いすると「出勤前に新聞を読むのが日課だったので、毎朝供えているんです。」とのことでした。河端君は今でも心の中に生き続けている事を再認識した1日でした。
10月19日には、永年、弓削町議会議長や漁協の組合長を務められ、町民の為に人生を捧げた島根亀夫氏がご逝去されました。厳しい表情の中にもユーモアと愛情溢れる会話ができなくなったことを思うと、寂しさが募ります。
11月11日には、離島甲子園を主催し、離島の子供達を応援し続けてくれていた村田兆治氏が亡くなられました。8月に佐渡で開催された離島甲子園の外野席の芝生で試合を二人観戦しながら、上島町での思い出を熱く語られる姿に感銘を受けたばかりでした。
本年も様々な方々とのお別れがありましたが、政治に携わるものとしてその意志を引き継ぎ、町政発展のために全力を尽くしてまいりたいと考えています。
本日は令和4年第4回定例議会を招集いたしましたところ、全員の出席をいただき誠にありがとうございます。
本年は新型コロナの影響が小さくなったことで、多くの全国大会が復活し、私も全国大会への参加や国への要望活動を積極的に行っておりますが、9月定例議会後の行政活動内容については時間の関係上、上島町ホームページ内の町長活動報告にて代えさせていただき、この場においては主な事項のみを報告させていただきます。
まず、公共工事の入札を妨害したことにより上島町職員から逮捕者が出たことに対し、改めてお詫びを申し上げます。現時点では、警察の捜査中事案であり手元に資料もないため、私からは町民の皆様にご報告する方法がありません。
今後は上島町役場内でも、今回の事件の原因究明や再発防止策の検討等を行う調査委員会等を設けるなど、町民の皆様からの信頼回復に向け全力を尽くしてまいりますので、よろしくお願い申し上げます。
なお、今後調査に関する予算の計上があった場合には、議員の皆様のご理解をいただきますようお願い申し上げます。
上島町の新型コロナの状況ですが、上島町においては5回目のオミクロン株に対応するワクチン接種を積極的に進めるなど、感染防止に努めています。
ただ発生届の基準が変更され、上島町単独の感染者数が公表されなくなった事からの油断が見られる事や、継続的に陽性者が発生している状況から、町民の皆様は今後も正しくコロナに対応し、基本的な感染回避行動をとっていただきますようお願い致します。
10月8日~10日の3日間、淡路サービスエリアにおいて「せとうちマルシェ2022」が開催されました。これは本州四国連絡高速道路株式会社が、瀬戸内の魅力を発見・発信する「架け橋事業」の一環で「せとうち魅力発見キャンペーン」として実施しているものです。
現在、上島町は愛媛県を通じて本四高速と連携を深めておりますで、今回初めて出展の機会をいただきました。
今後も様々な機関と連携を深め、上島町の魅力を広くPRできる機会を創出してまいります。
10月24日には香川県土庄町において、「自転車を活用したまちづくりを推進する全国市区町村長の会 四国ブロック会議」に参加し、上島町としての意見を発表しました。
この会議は、自転車による観光振興、住民の健康増進、交通混雑の緩和、環境負荷の低減等により公共の利益を増進し、我が国の自転車文化の向上、普及促進及び各地域の地方創生推進を図ることが目的であり、国への自転車利用環境の整備促進に関する要望事項などを取り纏めました。
10月29日、今治市において「Setouchi vélo 協議会 設立総会」が開催されました。中村愛媛県知事、湯崎広島県知事、池田香川県知事をはじめ、瀬戸内の8県と、それに関わる各地方整備局、運輸局、本州四国連絡高速道路株式会社、また、瀬戸内地域のサイクリングルートを管理する自治体が出席しました。
この協議会は、瀬戸内地域及びその周辺地域を環境に配慮した、安全で快適な、世界にも認められる「サイクリングの推進エリア」に育てることにより、本地域のブランド価値の向上を図り、持続的な地域振興を実現することを目的としたものです。
会議においては、相互に連携・協力し、サイクリングルートのネットワーク化、サイクリングの推進エリア化、国内外への情報発信を行うといった、「Setouchi vélo 愛媛宣言」が採択されました。
10月30日、「サイクリングしまなみ2022」が開催され、国内から46都道府県、国外からは33ヵ国、合計約6,400名の参加がありました。
サイクリングしまなみは、瀬戸内の魅力を詰め込んだ、魅力的且つバラエティ豊かなコースを持った国際的なサイクリング大会を開催し、しまなみ海道周辺地域を「サイクリストの聖地」としての国際的ブランドを確立し、世界に広く発信することを目的に4年に1回開催されています。
当日は天候にも恵まれ、瀬戸内の多島美とおもてなしを満喫したとの声を多く聞きました。8つのコースがある中で、上島町を走り抜けるコースは前回より1つ追加されており、町内2つのコースが受付の時点から高い評価を得ることが出来たことを大変誇りに思っています。
これは、ボランティアスタッフの親切な対応やエイドステーションでの特産品の提供、そして何より、沿道からの笑顔あふれる応援があったからだと聞いています。約800名の上島町コース参加者からも、島民からの声援に励まされてゴールまで走れた、「ゆめしま海道最高!」という声が聞こえてきております。ご協力いただいた町民の皆さまに感謝申し上げます。
以上のサイクリング関連事業を捉えても、私たちが想像する以上に、瀬戸内には大きな動きが始まっています。もちろん、上島町はその中心となるポテンシャルを持っています。
今後も上島町の魅力を国内外に発信し、サイクリストやインバウンド、観光客による経済効果と発展に繋げるよう、国・県及び関係機関と連携してまいりますので皆様のご理解とご協力をお願い致します。
この動きを後押しするように、11月13日に弓削高校が自転車甲子園最優秀賞を受賞しました。
この自転車甲子園は、高校生がサイクリングに関する正しい知識や技術を身に付けるとともに、地域の自然環境や文化への理解を深め、サイクリングを通じて、地域の魅力を発見・発信できる人材として活躍すること、また、地域課題に向き合う活動により、生徒・学校が社会的に影響の高い活動をしていることをお互いに認識しあい、県内外へ示していくことを目的としています。
当日は、道路交通法や自転車のマナーに関するクイズや自転車に関する実技試験、地域の活動や取組に関するスピーチによる予選が行われました。
上位4校による決勝では、課題クリア議論バトルが行われ、弓削高校生のディベートは素晴らしく、その見事な逆転ホームランは感動的だったそうです。
また、弓削高校生は11月12日に開催された高校フードグランプリにおいても賞を獲得しており、離島の小規模校でありながら都会の大規模校と互角以上に渡り合う姿は、私たち町民に勇気と力そして感動を与えてくれました。
上島町は、弓削高校生をはじめとする最近の若者達の活躍に、エールを送り続けたいと思います。
9月28日生名地域交流センターを皮切りに、11月30日の岩城北集会所まで、まちづくり懇談会を町内12ヶ所で開催させていただきました。
町民の皆様からの、役場内だけでは気がつかない多くの指摘や要望に対し、その場での協議を行い、持ち帰った課題は速やかに文書で順次回答させていただいているところです。
まちづくり懇談会は、上島町を「居心地の良い町」にするため多くのことを学ばせていただく機会であり、ご参加して頂いた町民の皆様やご意見をいただいた皆様に感謝申し上げます。
11月18日には「離島振興法の一部を改正する法律」が可決され、令和5年4月1日から10年間法期限が延長されることとなりました。
私も東京出張中でしたので、幸いにも参議院本会議に立ち合わせていただきました。この法律は議員立法であり、与野党全会一致で賛成して頂きましたので、当日、公明党の党首をはじめ、各党関係者の皆様に感謝をお伝えさせていただきました。
この度の、法改正では、法期限の10年間延長に加え、「都道府県による離島市町村への支援の努力義務」が新設されているのが特徴です。
また、医師の確保等医療の充実については、「適切な配慮」から「特別な配慮」に改められ、教育に関しては「離島留学」支援という項目が追加されています。
更に、「小規模離島への配慮」「規制の見直し」という分野の新設など、離島に対する様々な配慮規定の充実が図られました。
本法案成立までご尽力いただいた関係者の皆様に、改めて感謝を申し上げます。
11月20日開票の愛媛県知事選挙で上島町は、7月に行われた参議院議員選挙に引き続き、県下トップの投票率でした。今回の選挙のキャッチフレーズ「君色の、意見を示せ、投票で。」を積極的な参加で実現していただける町民の皆様、そして、様々な工夫をこらして投票率アップの努力をしていただいた上島町選挙管理員会の職員の皆様に、心よりお礼申し上げます。
次に、上島町の令和5年度の当初予算についてですが、11月1日に予算編成方針を職員に通知しました。
また、中村知事は4期目の仕事始めの日である12月1日に、魚島地区と高井神地区をご訪問いただき、小中学生や住民との交流に参加され、地区の問題点にも耳を傾けて下さいました。
最も多忙な時期に、離島の最も小さな島々へ時間を割いていただいたご配慮に、町民を代表して心から感謝申し上げます。
12月11日にも、山本順三参議院議員が魚島において、住民との協議の機会を作っていただいた事に対しても、厚く御礼申し上げます。
予算編成の基本的な考えとして、「入(い)るを図りて出(い)ずるを制す」という財政規律を基本に、予算編成が全事務事業の洗い出しでもあることから、コスト意識を持ち、先例にとらわれることなく、住民目線・家計目線で積極的に事業の見直しを進め、PDCAサイクルに基づき、成果と課題を検証することにより、スクラップ&ビルドを徹底することとしております。
平成30年から令和2年までの3年間で、基金(定期預金)が約8億円も減少するなど、厳しい状況に陥った上島町の財政も、このような財政規律を基本に立ち戻った結果、徐々に持ち直しており、定期預金である基金も積み増しができたことなどにより、将来への負担も軽くなってきています。
今後も上島町の将来のため、未来を担う子供達のためにも、痛みを伴う改革も必要になってくることがあるかも知れませんので、議会や町民の皆様のご理解をよろしくお願い申し上げます。
結びに、令和2年11月に町長就任以来、はや任期の半分が経過致しました。改めて選挙公約を精査してみましたが、令和2年度当初から発生した新型コロナの影響で、町長としての活動が制限された事、前任者からの未実施未完成施策の引継ぎ案件解決のため時間を取られた事などにより、その実現が十分とは言えません。
しかし、公約実現に向け畑を耕し種を蒔き、適切に水や肥料を与え大切に育てていますので、春になれば芽を出すものと考えています。
もちろん成長を阻害する猪対策も大切ですが、政治家は公約を掲げその内容により、町民の皆様から支持され負託を受けています。
今後も、継続した来訪を促進する「第2のふるさと」づくりなど、上島町の「シー・オブ・ドリームス」が実現するよう、その約束実現へ向け全力で頑張りますので、よろしくお願い申し上げます。
本日は、条例案7件、物価高騰対策として町内の福祉施設や医療機関への緊急支援金、肥料や飼料の価格高騰に対する農業支援金、また、子育て支援策として、妊娠・出産の届け出時にそれぞれ5万円を支援する助成金などの補正予算案5件、人事案1件、計13件の議案を上程しております。
個々の議案につきましてはそれぞれの時点でご説明させていただきますので、よろしくご審議の上、適正な決定を賜りますようお願い申し上げます。
上島町長 上村俊之