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令和3年度 3月定例議会 町長行政報告

印刷用ページを表示する掲載日:2022年3月10日更新ページID:0020560

令和3年度 3月定例議会 町長行政報告

 みなさん おはようございます。

 春の便りが届きはじめ、新たな門出に胸を躍らせる時候になってまいりました。

 本日は令和4年第1回定例議会を招集いたしましたところ、全員の出席をいただき誠にありがとうございます。

 12月定例議会後の行政活動内容や資料についての詳細は時間の関係上、上島町ホームページ内の町長活動報告に代えさせていただき、この場においては主な事項のみを報告させていただきます。

 最初に、新型コロナウイルスはオミクロン株として蔓延し、感染者ゼロが40日間継続していた愛媛県でも、1月3日に3名の陽性者が発生、24日には最多の367人を記録するなど、第6波が押し寄せています。

 この影響を受け「ゆめしま海道駅伝大会」、「消防出初式」、「ゆめしま海道いきなマラソン」などが中止になり、上島町の行事や経済にも大きな困難が発生しました。上島町はこの感染被害に対応するため、3回目のワクチン接種を2月1日から始め、集団接種としては3月10日完了を目標としています。

 現在、上島町は県内自治体と比較しても順調にワクチン接種が進んでおり、この場をお借りして、積極的にご協力をいただいているお医者さんや看護師さん等のエッセンシャルワーカー、愛媛県及び上島町職員に感謝を申し上げます。

 さて、昨年末に新型コロナ第5波が急激に収束した好機に、12月24には離島振興予算や離島振興法改正に関する要望活動を東京において実施いたしました。

 1月4日から6日にかけては愛媛県庁、東予地方局、今治支局、国土交通省四国整備局、四国運輸局などに挨拶回りを兼ねた要望活動を行い、上島町の状況を伝えることができました。

 12月30日には延期となっていた、令和3年の成人式を、新年の1月3日には令和4年の成人式を開催し、若者の新たな門出をお祝いしました。

 若者の成長を讃えることは、私にとっても、そして上島町にとっても重要な案件だと考え続けていましたので、コロナ禍の中、成人者の輝かしい顔を見ることができたのは、大変ありがたい事でありました。

 1月14日と2月10日には、株式会社いきなスポレク運営会議を開催し、経営内容と今後の方針を確認しました。

 その経営状況ですが、改めて精査すると平成30年1月から令和2年4月までの2年4か月の間で、上島町からの支援金や貸付金が合計1億1,261万円あり、それ以外に民間金融機関からの借入金が約6,200万円にも上っていました。

 しかし、新体制後の令和3年度では、新型コロナによるキャンセルが続出する中においても、新たな借入金や支援金をゼロにすることができました。

 但し、現在でも上島町からの30年返済の借入金2,600万円が残っているため、毎年約90万円を返済しています。これらの要因による厳しい経営状況で、本年度も赤字決算になりそうですが、経費節約等により過去3年間に比べ赤字は大幅に縮小する見込みです。

 経営改善対策として役員等からの様々な提言もあり、株式会社いきなスポレク職員の皆さんは、今までとは異なる対応に戸惑いがあるかも知れませんが、元の健全経営を目標に歩みを進めてくれている事に感謝を申し上げたいと思います。

 さて、1月17日には、岸田首相が施策方針演説を行いました。

 首相は就任以来、迅速な決断や方針転換に踏み切ってこられましたが、演説の中で、それぞれの決断の責任は、自分がすべて負うという「行蔵(こうぞう)は我に存す」という言葉を引用されました。この考えは、リーダーにとっての指針となるものであり、大小はあれ誰もが自覚しなければならない根幹であると考えます。

 また、経済再生の要として「新しい資本主義」の実現を掲げられました。具体的には、成長と分配の好循環による新しい資本主義によって、官と民が全体像を共有し協働することで、国民一人ひとりが豊かで、生き生きと暮らせる社会を作っていくという内容です。

 さらに、様々な弊害を是正するための仕組みとして、「成長戦略」と「分配戦略」を挙げています。

 成長戦略では「デジタル」「気候変動」「経済安全保障」「科学技術・イノベーション」などの社会課題の解決を図り、分配戦略では所得の向上につながる賃上げや未来を担う子育て・若者世代に焦点を当て、世帯所得の引き上げを図ることを目的としています。他にも防災・減災、国土強靭化を強化するなど、「信頼」と「共感」の政治を目指すという施策方針でした。

 上島町においても、この国の方針を基軸とし、国と県と町を「つなぐ」政策に取り組んでまいります。

 続いて、令和4年度上島町の当初予算についてですが、その編成に当たっては、新型コロナウイルス感染症への新たな対応と、地域経済活動の両立を図りながら、財源の確保とスクラップ・アンド・ビルドを徹底したところ、上島町の一般会計当初予算の総額は67億1,300万円で、前年度に比較して2億7,700万円、4.3%の増ではありますが、2年連続で一般会計総額70億円以下に抑えることができました。

 特別会計と企業会計を含めた町全体の予算総額については、106億8,494万4千円で、前年度に比較して3億9,047万8千円、3.7%の増となりました。

 歳入では、歳入総額の5割以上を占める地方交付税が、国の地方財政計画及び前年度実績から34億2,300万円で前年度比8,400万円、2.5%増を見込みました。

 ただ、令和元年度をもって合併算定替えの特例措置が終了したことと、普通交付税の算定基礎に用いられる令和2年国勢調査人口の減少により、今後も非常に厳しい状況が予想されます。

 一方歳出では、人件費、扶助費、公債費を合わせた義務的経費を、29億3,728万円で、前年度比マイナス5,373万円、1.8%減としております。今後も、この義務的経費を削減することで、経常収支比率(令和2年度決算:96.4%、県下第18位)の改善に努め、財政構造の弾力性を高めてまいります。

 新規事業といたしましては、

 ・上島町唯一の県立高等学校である弓削高等学校の存続へ向け、県外からの学生を確保する為の学生寮整備。

 ・公共施設への脱炭素化の取り組みや災害対応として、岩城庁舎の屋上に太陽光発電設備と蓄電池設備の整備。

 ・地域経済対策として、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、売上げの減少が著しい町内の事業者等において使用可能な、

  プレミアム商品券の発行。

 ・子育て支援として、中学生以下への医療費無償化を18歳以下まで拡充。

などを提案しております。

 また、私の選挙公約の一つでもあります、心豊かな町づくりのために、かみじま音楽祭を復活し、島に音楽を響かせ、コロナ禍で沈滞したムードを吹き飛ばしたいと思っています。

 このように、本町が将来にわたって持続可能な行政運営を行っていくため、今後も更なる行財政改革を推進するとともに、新たな財源の確保、事業の見直し、公共施設の統廃合などに取り組んでいく必要があると考えています。

 さて、3月20日には岩城橋が開通し、町民の長年の夢であった「ゆめしま海道」が全線開通します。

 岩城橋の完成により、上島町の様々な課題が解消され、総合力が格段に上がることは確実です。中でもサイクリストをはじめとする国内外からの観光客も増加し、町外との交流が盛んになることで、経済も発展する起爆剤になることでしょう。

 この流れに対応するため、上島町においては各課において様々な準備や計画を進めています。一例として、新年度から自転車新文化への取り組みやスポレクを含めた観光全般、愛媛FCなどプロスポーツ支援に特化した課として、仮称ですが「観光戦略課」を設置し、町民の皆様の期待に応えたいと考えています。

 ただ、新たな課題も話さなくてはなりません。

 3月には町民の足として長年運航継続していただいていた岩城汽船と、長江フェリーの両定期航路が廃止になります。また、家老渡フェリーも減便せざるを得ない状況であり、航路業者などの経営が厳しくなっていることを私たちは忘れてはなりません。

 私と致しましては、今まで当たり前のように、ライフラインや公共サービスを担ってくれていた民間業者に対し、行政は失業対策として委託業務等を提供する責任があると考えておりますので、町民の皆様の暖かいご支援とご理解をいただきますようよろしくお願い申し上げます。

 結びに、2022北京冬季オリンピックにおいて、アスリートから「果敢に挑戦」する事の大切さを多く学ぶことができました。

 私は、その精神を忘れることなく、今後も「居心地の良い上島町」を目標に、「世界に誇れるふるさと」実現を目的に、様々な施策に取り組んでまいりますので、町民の皆様のご理解とご協力をお願い致します。

 

 本日は、条例案13件、補正予算12件、当初予算案16件、その他3件、計44件の議案を上程しております。

 個々の議案につきましてはそれぞれの時点でご説明させていただきますので、よろしくご審議の上、適正な決定を賜りますようお願い申し上げます。

 

                                                     上島町長 上村俊之