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令和3年度 6月定例議会 町長行政報告

印刷用ページを表示する掲載日:2021年6月16日更新ページID:0019174

令和3年度 6月定例議会 町長行政報告

 愛媛県が観測史上最も早く梅雨入りした今季。瀬戸内も夏の輝きを感じる時候となりました。

 本日は、令和3年第2回の定例議会を招集いたしましたところ、全員の出席をいただき誠にありがとうございます。

 最初に、コロナワクチン接種等において積極的なご協力をいただいている医療従事者の皆様に、厚く御礼を申し上げます。

 また、接種予約時には電話が繋がりづらいなど、町民の皆様にご心配をおかけしたことに対し、お詫びを申し上げます。

 上島町は5月10日に、県内でいち早くワクチン接種を開始することができ、接種率も県下で上位にあります。さらに6月1日には、国の指針の離島特例に従い、魚島・高井神島において16歳以上の全島民を対象にした集団接種を実施しております。

 平素の診療だけでもお忙しい所、上島町民のために休憩もないほどの激務に取り組んでいただいている、医師をはじめ看護師さんに、心から敬意をお伝えいたします。

 また、接種会場のスタッフである役場職員の機敏な動きにも感心しています。平素の職務の中で顔見知りである高齢者に親しく声をかけ、雨の中でも傘もささずに交通整理をしてくれている姿は、小さな自治体ならではの良さを再発見致しました。

 今後もこのコロナに打ち勝ち、活発な経済活動が復活するまで、力を尽くしていただきたいと思いますので、関係者の皆様の更なるご協力をお願いいたします。

 上島町では、このコロナによる影響を少しでも緩和するため、補助や給付金により農林水産業や商工業者に対しての支援を打ち出しておりますので、事業主の皆様も頑張って頂きたいと願っています。

 現在、新型コロナ感染症対策として、役場各庁舎において、職員の分散出勤・時差出勤・テレワークなど、可能な限り職場での密による感染を防ぐ対策を実施しております。中でもテレワークなどは国においても推奨されておりますので、町内の事業所におかれましてもそれぞれの事情があるとは思いますが、事務所内の職員・社員の密度を減らすことが感染症対策の有効な手段ですので、ぜひ取り組みをご検討いただけたらと思います。

 尚、私自身のワクチン接種については、国への来年度上島町重要施策に向けた要望活動時期が迫っている事、私も接種年齢枠に入ったことなどから、適切なタイミングで参加させていただきたいと考えています。

 コロナの影響で現在も施策要望活動が制限されていますが、3月22日と23日には、11月の町長就任後初めて各省庁等へ要望活動を行いました。

 緊急事態宣言が全面解除された唯一の時間でしたが、国交省・総務省・農水省・文科省・水産庁・文化庁・観光庁・全国離島振興協議会などで上島町の実情を訴えてまいりました。十分な手応えがあった2日間でしたが、その後もコロナの影響で重ねた活動ができないことに歯痒さを感じています。

 現在も、ウェブ会議がほとんどであり、私の公約でもある、上島町と県と国をつなぐ対面での営業活動が制限されていることは非常に残念です。

 年度の変わり目には、コロナの影響を受けない体制で、各卒業式や入学式、卒園式や入園式等が開催されました。来賓が少ない会場でしたが、子供達の目の輝きは変わらず美しく、大人の私たちが励まされているような感覚にもなりました。子供達の新たなステージに、エールを送り続けたいと思います。

 4月1日には、役場管理職に向けて年度初めの挨拶を行いました。その主な内容は、「新たな体制で、新しい風を上島町に吹かせてください。行政運営においては、岩城橋開通を見越したまちづくりを、みんなで日本一『居心地のいい町』を造りましょう。」という事を伝えました。

 さらに、新規採用職員や島おこし協力隊員との初顔合わせもあり、町に対する思いや仕事への純粋な意気込みを聞くにつれ、上島町の明るい未来を感じました。彼らが呼び起こす、新たな風や活躍に大きな期待を寄せています。

 同じく6日には県庁等への挨拶回りを行いましたが、念の為幹部職員は除き、町長のみとさせて頂きました。

 4月21日には上島町内において、オリンピックの聖火リレーが実施されました。心地よい気候の中、引き継がれる炎は感動的であり、スポーツが与えてくれる付加価値を再認識する1日となりました。

 さて、公募により経営者が代わった宿泊施設フェスパは、6月1日から営業を再開致しました。前任者の維持管理不足による修繕箇所が思いのほか多くあり、再オープンまでに時間とお金がかかりましたが、今後は町民が気楽に立ち寄れる施設としての役割を果たしていただきたいと願っています。

 私の株式会社いきなスポレク取締役への就任についての動向は、3月議会において披瀝させていただきました。

 しかし、現時点においても株式会社いきなスポレクは、金融機関からの借り入れや、令和元年度・2年度と2年間の消費税の未払い、リース解約等の返済が多額に残り、不透明な経費も存在しています。なお、この資産状況については、5月20日に開催された議員協議会において資料提出させていただいております。

 株式会社いきなスポレクは、令和2年度だけでも上島町から6,600万円の指定管理料を投入しました。しかし、決算においては債務超過が5,700万円以上となっており、すべての資産を手放したとしても債務を返済しきれない財務状況に陥っています。3年前に2千万円台の債務超過という理由で、上島町が失格とした民間業者の業績よりはるかに悪い結果となっています。この民間業者は指定管理期間7年間で約6千万円の家賃を上島町に支払っていることも勘案すると、わずか3年間の赤字がいかに大きいかを表しています。

 株式会社いきなスポレクのフェスパ経営については、この3年間で約8,700万円の支援金と2,600万円の貸付金を上島町民のお金で投入しておりますが、現在の経営責任者からはその返済方法さえ示されていない状況です。

 そこで、今回の補正予算において、金融機関等からの借り入れ返済方法等を提案しておりますので、議会のご理解をいただけた時点で、就任に向けての手続きを開始したいと考えております。

 町民の長年の夢である岩城橋の進捗状況ですが、6月には物理的に橋がつながる「併合」となります。完全な完成は来年の3月ですが、公共交通機関の再編を含め岩城橋完成後の体制を、公共交通ネットワーク審議会や住民のご意見をいただきながら進めてまいります。その中には影響を受ける既存航路業者への支援が必要であるという事は言うまでもありません。

 重要な課題である上島町の財政状況ですが、令和3年度上島町中長期財政計画によると、今後2〜3年は実質公債費比率が15%を超えるなど、厳しい数字が見込まれます。その原因は公債費という借金は減るけれど、それ以上に収入である地方交付税が減少する方向が示されている為です。

 先日には、地方の一般財源の総額について、2022年度からの3年間、「21年度地方財政計画の水準を下回らないよう実質的に同水準を確保する。」との文言が、経済財政運営の基本方針「骨太の方針」の原案に明記されましたが、地方交付税を算定する基準財政需要額に算入される公債費が減少する事を含め、厳しい状況が続くことには変わりはありません。

 ただ、3年後には、実質公債費比率も良い方向に改善していく見込みですので、町民の皆様のご理解とご協力をよろしくお願い致します。

 結びに、町外からのふるさと納税に添えられたお手紙の中に、魚島観光に訪れ誤って転倒し怪我をしたが、たいした事はないと思いそのまま魚島丸に乗船して帰っていたところ、船の中で気がついた診療所の先生はじめ上島町職員の親切な対応に感動し、今回の納税のきっかけになったと書かれていました。先日も、港務所で気分が悪くなられた方がおり、消防まで全力で駆けつけた職員の姿を見受けました。

 他にも目立たない所で当たり前のように親切に対応してくれている職員や町民の皆様に、この場をお借りして心から感謝申し上げます。

 本日は条例案4件、補正予算案3件、を含め18件の議案を上程しております。

 個々の議案につきましてはそれぞれの時点でご説明させていただきますので、よろしくご審議の上、適正な決定を賜りますようお願い申し上げます。       

上島町長 上村俊之