○上島町農業次世代人材投資資金交付要綱
令和2年7月29日
告示第23号
上島町青年就農給付金事業補助金交付要綱(平成25年上島町告示第1号)の全部を改正する。
(趣旨等)
第1条 この要綱は、農業人材力強化総合支援事業実施要綱(平成24年4月6日付け23経営第3543号農林水産事務次官依命通知)別記1第2の2に規定する農業次世代人材投資(経営開始型)事業を実施するために必要な事項を定めるものとする。
2 農業次世代人材投資資金(以下「資金」という。)は、予算の範囲内において交付するものとし、その交付に関しては、上島町補助金交付規則(平成16年上島町規則第46号)に定めるもののほか、この要綱の定めるところによる。
(資金交付要件)
第2条 資金の交付を受けることができる者(以下「交付対象者」という。)の要件は、次に掲げるとおりとする。
(1) 独立・自営就農時の年齢が、原則として50歳未満であり、農業経営者となることについての強い意欲を有していること。
(2) 次に掲げる要件を満たす独立・自営就農であること。
ア 農地の所有権又は利用権を交付対象者(交付対象者が農業経営を法人化している場合にあっては、交付対象者又は交付対象者が経営する法人)が有していること。ただし、親族から貸借した農地が主である場合は、交付期間中に当該農地の所有権を交付対象者に移転することを確約することとし、租税特別措置法(昭和32年法律第26号)第70条の4第6項に規定する特例付加年金の支給を受けるため使用貸借による権利の設定をしている場合及び同条第22項に規定する営農困難時貸付けによる権利の設定をしている場合並びに同法第70条の4の2第1項に規定する特定貸付けの特例を受けている場合は、この限りでない。
イ 主要な農業機械・施設を交付対象者(交付対象者が農業経営を法人化している場合にあっては、交付対象者又は交付対象者が経営する法人)が所有し、又は借りていること。
ウ 生産物、生産資材等を交付対象者(交付対象者が農業経営を法人化している場合にあっては、交付対象者が経営する法人)の名義で出荷及び取引すること。
エ 交付対象者(交付対象者が農業経営を法人化している場合にあっては、交付対象者が経営する法人)の農産物等の売上げ、経費の支出等の経営収支を交付対象者の名義の通帳及び帳簿で管理すること。
オ 交付対象者が農業経営に関する主宰権を有していること。
(3) 農業経営基盤強化促進法(昭和55年法律第65号)第14条の4第1項に規定する青年等就農計画の認定を受けた者であること。ただし、交付期間中に、同法第14条の5第2項に規定する認定の取消しを受けた場合及び同条第3項に規定する認定の効力を失った場合を除く。
(4) 経営の全部又は一部を継承する場合は、継承する農業経営に従事してから5年以内に継承して農業経営を開始し、かつ、交付期間中に、新規作目の導入、経営の多角化等経営発展に向けた取組を行い、新規参入者(土地又は資金を独自に調達し、新たに農業経営を開始した者をいう。)と同等の経営リスクを負って経営を開始する次号に規定する青年等就農計画等を作成していると町長に認められること。なお、1戸1法人(原則として世帯員のみで構成される法人をいう。)以外の農業法人を継承する場合は、交付の対象外とする。
(5) 青年等就農計画に農業次世代人材投資資金申請追加資料(様式第1号)を添付したもの(以下「青年等就農計画等」という。)が次に掲げる基準に適合していること。
ア 農業経営を開始して5年後までに農業(農業生産のほか、農産物加工、直接販売、農家レストラン、農家民宿等関連事業を含む。)で生計が成り立つ計画であること。
イ 計画の達成が実現可能であると見込まれること。
(6) 人・農地プランの具体的な進め方について(令和元年6月26日付け元経営第494号農林水産省経営局長通知)の2の(1)の実質化された人・農地プラン、同通知3により実質化された人・農地プランとみなすことができると判断できる既存の人・農地プラン及び同通知4により実質化された人・農地プランとして取り扱うことのできる人・農地プラン以外の同種取決め等(以下「人・農地プラン」という。)に中心となる経営体として位置づけられ、又は位置づけられることが確実と見込まれること、あるいは農地中間管理機構から農地を借り受けていること(以下「人・農地プランに位置づけられた者等」という。)。
(7) 次に掲げる条件に該当していること。
ア 原則として生活費の確保を目的とした国の他の事業による給付等を受けていないこと。
イ 農の雇用事業による助成金の交付を現に受けておらず、かつ、過去に受けていないこと。
ウ 経営継承・発展等支援事業実施要綱(令和3年3月26日付け2経営第2988号農林水産事務次官依命通知)別記1の経営継承・発展事業による補助金の交付を現に受けておらず、かつ、過去に受けていないこと。
(9) 園芸施設共済の引受対象となる施設を所有する場合は、当該施設について、気象災害等による被災に備えて、園芸施設共済、民間事業者が提供する保険又は施工業者による保険等に加入している、又は加入することが確実と見込まれること。
(10) 前年の世帯全体の所得が600万円以下(被災による資金の交付休止期間中の所得を除く。以下同じ。)であること。ただし、当該所得が600万円を超える場合であっても、生活費の確保の観点から支援対象とすべき切実な事情があると町長が認める場合に限り、採択及び交付を可能とする。
(11) 上島町における将来の農業の担い手として、地域のコミュニティへの積極的な参加に努め、地域の農業の維持・発展に向けた活動に協力する意思があること。
(交付金額及び交付期間)
第3条 交付金額及び交付期間は、次のとおりとする。
(1) 交付金額は、経営開始1年目から経営開始3年目までは交付期間1年につき1人当たり150万円、経営開始4年目以降は交付期間1年につき1人当たり120万円を交付する。また、交付期間は、最長5年間(経営開始後5年度目分まで)とする。
(2) 夫婦で農業経営を開始し、次の要件を満たす場合は、交付期間1年につき夫婦合わせて前号の額に1.5を乗じて得た額(1円未満は切捨て)を交付する。
ア 家族経営協定を締結しており、夫婦が共同経営者であることが規定されていること。
イ 主要な経営資産を夫婦で共に所有し、又は借りていること。
ウ 夫婦共に人・農地プランに位置付けられた者等となること。
(青年等就農計画等の承認申請)
第4条 資金の交付を受けようとする者(以下「申請者」という。)は、青年等就農計画等を作成し、町長に提出する。
(青年等就農計画等の承認)
第5条 町長は、申請者から青年等就農計画等の提出があった場合には、青年等就農計画等の内容について審査に当たり、町長が別に定めるところにより審査会を設置するものとする。
(就農状況の報告)
第10条 交付対象者は、交付期間中、毎年7月末及び1月末までにその直前の6か月の就農状況報告(様式第6号)を町長に提出する。
3 交付対象者は、交付期間終了後5年間の間に農業経営を中止し、離農した場合は、離農後1か月以内に離農届(様式第8号)を町長に提出する。
(1) 交付対象者への面談
ア 営農に対する取組状況
イ 栽培・経営管理状況
ウ 青年等就農計画等達成に向けた取組状況
エ 労働環境等に対する取組状況
(2) ほ場確認
ア 耕作すべき農地が遊休化されていないか
イ 農作物を適切に生産しているか
(3) 書類確認
ア 作業日誌
イ 帳簿
ウ 農地基本台帳の写し
(住所等変更の報告)
第12条 交付対象者は、交付期間内及び交付期間終了後5年間に居住地、電話番号等を変更した場合は、変更後1か月以内に住居等変更届(様式第10号)を町長に提出しなければならない。
(交付対象者の中間評価)
第13条 町長は、交付対象者の経営開始3年目が終了した時点で、当該交付対象者の農業所得及び農業収入等の状況や経営の課題等を交付対象者及びサポートチームを中心とした地域の関係機関が確認し、経営改善に役立てるとともに、青年等就農計画の達成に向けて指導が必要な者に対して重点的にサポートするため、中間評価を実施するものとする。
2 町長は、中間評価の実施に当たり、町長が別に定めるところにより評価会(平成31年4月1日付け30経営第3030号就農・女性課長通知。以下「評価会」という。)を設置するものとする。
4 次項の評価区分のうちAに該当する者は次のいずれかに該当する者とする。
(1) 経営開始3年目の農業所得が、青年等就農計画における経営開始5年目の農業所得目標(以下「農業所得目標」という。)のおおむね2分の1を達成する者
(2) 前号の基準を達成できていないが、次に掲げるいずれかに該当する者で、農業所得目標の達成が見込まれると市町村が認める者
ア 設備投資等の経費がかさんだことが原因で経営開始3年目の農業所得が農業所得目標のおおむね2分の1を達成していないが、経営開始3年目の農業収入が、様式第1号の別添1の収支計画における経営開始5年目の農業収入目標(以下「農業収入目標」という。)のおおむね2分の1に達している者
イ 災害による収量低下、市場価格の下落等、本人の責めによらない原因により農業所得目標又は農業収入目標のおおむね2分の1を達成できていない者
5 評価区分は、A(順調)、B(順調ではない)の2段階とする。
6 評価結果の取扱いについては、A評価の交付対象者は、引き続き資金の交付を継続し、希望する者については、第15条に規定する経営発展支援金を交付する。また、評価の者のうち農業所得目標の達成に向けて重点指導が必要な者であると評価会で判断された者については、サポートチームが中心となって重点指導を行う。
(サポート体制の整備)
第14条 町長は、平成29年度以降の新規交付対象者の「経営・技術」、「営農資金」及び「農地」の各課題に対応できるよう、関係機関に所属する者及び関係者で構成するサポート体制を構築するものとする。
2 前項のサポート体制の中から、交付対象者ごとに「経営・技術」、「営農資金」及び「農地」それぞれの専属の担当者(サポートチーム)を選任し、交付対象者の各課題の相談先を明確にするものとする。令和3年度以降に採択された交付対象者のサポートチームについては、新規就農者の農業経営、地域生活等の諸課題に対して適切な助言及び指導が可能な農業者を参画させることを必須とする。当該農業者は、交付対象者の農業経営、地域生活等に関する相談に乗り、必要に応じて助言及び指導を行うものとする。
(1) 第4条の青年等就農計画等作成への助言及び指導
(2) 第4条の審査への参加
(3) 第11条の就農状況の確認、助言及び指導
(4) 前条の中間評価会の参加
(5) 前条の中間評価の結果において、令和2年度以前に採択された交付対象者についてはB評価相当の者、令和3年度以降に採択された交付対象者についてはA評価の者のうち重点指導が必要な者であると判断された者に対する重点指導の実施
(経営発展支援金)
第15条 町長は、第13条の中間評価でA評価相当とされた者のうち、希望する者に経営発展支援金(以下「支援金」という。)を交付する。
2 支援金の交付を希望する者は、経営発展支援金交付申請書(様式第11号。以下「申請書」という。)を町長に提出するものとする。
3 町長は、申請書の内容を審査し、交付対象者のさらなる経営発展につながる取組であると認める場合は、これを承認し、審査結果を交付対象者に通知するとともに、支援金を概算払いで交付する。
4 交付対象者は、承認された内容を実施し、事業完了後1か月以内又は当該事業年度の3月末日までに経営発展支援金実績報告書(様式第11号。以下「実績報告書」という。)を町長に提出し、承認を得なければならない。
5 町長は、実績報告書の提出を受けたときは、その内容を審査し、適当であると認める場合は、これを承認し、支援金の精算を行う。
6 支援金の交付額は、第3項で承認された取組の実現に必要な額のうち他の助成措置等による助成額を除いた額とし、150万円以内の額とする。
8 交付対象者が融資機関から行われる融資を活用し、農業用機械等の導入等の事業を行う場合について、当該事業に係る経費から融資額を除いた自己負担部分に充当することも可能とする。
(資金交付の中止)
第16条 次に掲げる事項に該当する場合は、町長は資金の交付を中止する。
(1) 第2条に掲げる要件を満たさなくなった場合
(2) 交付対象者から中止届(様式第12号)の提出があった場合
(3) 第10条の規定による報告を行わなかった場合
(4) 第11条の規定による就農状況の確認等により、「交付対象者の考え方」を満たさない等、適切な農業経営を行っていないと町長が判断した場合(例:青年等就農計画等の達成に必要な経営資産を縮小した場合、耕作すべき農地を遊休化した場合、農作物を適切に生産していない場合、農業従事日数が一定以下(年間150日かつ年間1,200時間)である場合、町長から改善指導を受けたにもかかわらず、改善に向けた取組を行わない場合等)
(5) 国が実施する報告の徴収又は立入検査に協力しない場合
(6) 第13条の中間評価により、B評価と判断された場合
(7) 第10条の規定による報告により、前年の世帯全体の所得が600万円を超えた場合。ただし、当該所得が600万円を超える場合であっても、生活費の確保の観点から支援対象とすべき切実な事情があると町長が認める場合に限り、交付を可能とする。
(資金交付の再開)
第17条 前条第7号に掲げる要件に該当する場合、翌年以降の世帯全体の所得が600万円以下となった場合は、翌年から資金の交付を再開することができる。
(中止届の提出)
第18条 交付対象者は、資金の受給を中止する場合は、町長に中止届(様式第12号)を提出する。
(休止届の提出)
第19条 交付対象者は、病気等のやむを得ない理由により就農を休止する場合は、町長に休止届(様式第13号)を提出する。
(資金交付の休止又は中止)
第20条 町長は、交付対象者から前条の休止届があり、やむを得ないと認められる場合は、資金の交付を休止する。なお、休止期間は、原則1年以内とする。ただし、やむを得ないと認められない場合は、資金の交付を中止する。
(資金交付の再開)
第22条 町長は、交付対象者から経営再開届の提出があり、適切に農業経営を行うことができると認められる場合は、資金の交付を再開する。
(2) 虚偽の申請等を行った場合は、資金の全額を返還する。
(3) 交付期間(休止等、実際に交付を受けなかった期間を除く。)と同期間、同程度の営農を継続しなかった場合にあっては、交付済みの資金の総額に、営農を継続しなかった期間(月単位)を交付期間(月単位)で除した値を乗じた額を返還する。ただし、第13条の中間評価によりB評価とされた者を除く。
2 交付対象者から返還免除申請書の申請があった場合は、町長は、返還免除の可否を決定し、農業次世代人材投資資金返還免除(却下)決定通知書(様式第16号)により当該申請をした者に通知する。
(交付情報等の登録)
第25条 町長は、青年等就農計画等又は交付申請書等の提出があった場合は、データベースに交付情報等を速やかに登録するものとする。
(その他)
第26条 町長は、本事業が適切に実施されたかどうか及び本事業の効果を確認するため、交付対象者に対し、必要な事項の報告を求め、又は現地への立入調査を行うことができる。
2 町長は、偽りその他の不正行為により、本来受給することのできない資金を不正に受給したことが明らかとなった場合は、不正行為を行った者の氏名及びその内容を公表することができる。
3 この要綱に定めるもののほか、農業次世代人材投資資金(経営開始型)の交付に必要な事項については、町長が別に定めるものとする。
附則
この要綱は、令和2年8月1日から施行する。
附則(令和3年4月1日告示第20―2号)
この要綱は、公布の日から施行する。