○上島町再生可能エネルギー発電設備の設置の規制等に関する条例

平成30年6月27日

条例第34号

(目的)

第1条 この条例は、再生可能エネルギー発電設備の設置が防災上並びに自然環境、生活環境及び景観(以下「自然環境等」という。)に及ぼす影響に鑑み、その設置に関して必要な規制等を行うことにより、町民の生命及び財産の保護を図るとともに、良好な自然環境等を保全し、もって公共の福祉に寄与することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 事業 電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法(平成23年法律第108号)第2条第3項に規定する再生可能エネルギー発電設備の設置を行う事業をいう。

(2) 事業者 事業を行う者をいう。

(3) 事業区域 事業を行う区域をいう。

(4) 建築物 建築基準法(昭和25年法律第201号)第2条第1号に規定する建築物をいう。

(5) 工作物 土地に定着する人工物で建築物以外のものをいう。

(6) 該当自治会 その区域に事業区域を含む自治会及び風力発電設備設置に係る事業区域から500メートルの範囲内に居住者のある自治会をいう。

(7) 近隣関係者 事業区域の境界線から50メートル以内にある土地又は建築物を所有する者をいう。

(8) 近隣住民等 該当自治会及び近隣関係者を併せたものをいう。

(町の責務)

第3条 町は、第1条に定める目的にのっとり、この条例の適正かつ円滑な運用が図られるよう必要な措置を講ずるものとする。

(事業者の責務)

第4条 事業者は、事業の実施に当たり、関係法令を遵守するとともに、災害の防止及び自然環境等の保全のために必要な措置を講じなければならない。

(土地所有者等の責務)

第5条 土地の所有者、占有者及び管理者(以下「土地所有者等」という。)は、災害の発生を助長し、又は自然環境等を損なうおそれのある事業を行う事業者に対して、当該土地を使用させることのないようにしなければならない。

(適用を受ける事業)

第6条 この条例の規定は、上島町内において行う事業に適用する。ただし、建築物の屋根又は屋上に太陽光発電設備等を設置する事業を除く。

(事業の許可)

第7条 事業者は、事業を行うときは、あらかじめ、次に掲げる事項について、町長に書類を提出し、町長の許可を受けなければならない。

(1) 上島町内に事業所を設けることを証明する書類

(2) 事業者の氏名及び住所(法人その他の団体にあっては、その名称及び代表者の氏名並びに主たる事務所の所在地)

(3) 事業を行う位置及び事業の計画を明らかにする図書

(4) 事業区域及びその周辺の状況を示す写真

(5) 事業に係る設計又は施工方法を明らかにする図書

(6) 該当自治会の説明会に係る報告書

(7) 近隣関係者への説明に係る報告書

(8) 他法令による許認可等を受けている場合はその許可書の写し

2 事業者は、前項第2号に掲げる事項の変更をしたときは、速やかにその旨を町長に届け出なければならない。

3 事業者は、第1項第3号又は第5号に掲げる事項の変更をしようとするときは、あらかじめ、その旨を届け出て、町長の許可を受けなければならない。

(許可の基準等)

第8条 町長は、前条第1項の規定による許可の申請があった場合において、当該申請が次のいずれにも該当すると認めるときでなければ、同項の許可をしてはならない。

(1) 事業者及び現場管理者が次のいずれにも該当しないこと。

 事業を実施するために必要な資力及び信用があると認められない者

 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成3年法律第77号)第2条第6号に規定する暴力団員(以下「暴力団員」という。)又は暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者

 第18条第1項の規定により許可を取り消され、その取消しの日から5年を経過しない者

 第18条第2項又は第20条の規定による命令を受けた者で、当該命令に係る必要な措置を町長が定めた期限までに完了していないもの

 事業の実施に関し不正又は不誠実な行為をするおそれがあると認めるに足りる相当の理由がある者

 営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者で、その法定代理人(法定代理人が法人である場合にあっては、その役員を含む。)からまでのいずれかに該当するもの

 法人でその役員又は規則で定める使用人(以下「特定使用人」という。)のうちにからまでのいずれかに該当する者のあるもの

 法人でに規定する者がその事業活動を支配するもの

 個人で特定使用人のうちにからまでのいずれかに該当する者のあるもの

(2) 事業計画が、次に掲げる事項について規則で定める基準に適合するものであること。

 再生可能エネルギー発電設備の設置に係る防災上の措置に関する事項

 事業区域の周辺地域における良好な自然環境等の保全に関する事項

 再生可能エネルギー発電設備の設計の安全性の確保に関する事項

 その他町長が必要と認める事項

2 町長は、前条第1項又は第3項の規定による許可に、災害の防止又は良好な自然環境等の保全のために必要な条件を付すことができる。

(近隣住民等への説明会及び説明)

第9条 事業者は、第7条第1項の規定による書類の提出を行う前に、事業の施行等について、同項各号(第6号及び第7号を除く。)に掲げる事項に関する周知について必要な措置を講じ、該当自治会の住民に対して説明会を実施するとともに、近隣関係者に対して説明を行わなければならない。

2 事業者は、前項の規定による説明会及び説明(以下「説明等」という。)により、近隣関係者の同意を得なければならない。

3 事業者は、第7条第2項又は第3項の規定による変更の届出を行う前に、近隣住民等に対して、事業の施行等について説明等を行うものとする。

4 近隣住民等は、説明等を行った事業者に対し、事業計画について意見を申し出ることができる。

5 前項の規定による意見の申出があったときは、当該事業者は、規則で定めるところにより、当該申出をした近隣住民等と協議し、その協議内容を町長に報告しなければならない。

(審査)

第10条 町長は、第7条第1項又は第3項の規定による許可に当たっては、審査を実施し、次条第1項に規定する審議会に諮問するものとする。

(審議会)

第11条 町長は、この条例の目的を推進するため、上島町再生可能エネルギー発電設備の設置の規制等に関する審議会(以下「審議会」という。)を置く。

2 審議会は、町長の諮問に応じて審議し、答申するものとする。

3 審議会の組織、運営その他の審議会に関し必要な事項は、規則で定める。

(指導及び助言)

第12条 町長は、必要があると認めるときは、事業者に対して指導又は助言を行うものとする。

2 事業者は、前項に規定する指導又は助言があったときは、その処理の状況を町長に報告しなければならない。

(審査の終了の通知)

第13条 町長は、審査が終了したときは、第7条第1項又は第3項の規定による許可の可否について、規則の定めるところにより事業者に通知するものとする。

2 町長は、必要に応じて前項の通知に意見を付するものとする。

(標識の掲示)

第14条 事業者は、当該事業区域内の公衆の見やすい場所に、規則で定める標識を掲示しなければならない。

(事業着手等の届出及び確認)

第15条 事業者は、事業に着手し、又は事業を完了し、廃止し、中止し、若しくは再開した場合は、速やかにその旨を町長に届け出なければならない。

2 町長は、事業を完了し、又は廃止した旨の届出があったときは、確認を行うものとする。

(発電事業の廃止)

第16条 事業者は、事業に係る発電事業を廃止したときは、直ちに当該事業に係る建築物又は工作物を撤去しなければならない。

2 事業者は、事業に係る発電事業を廃止した場合は、速やかにその旨を町長に届け出なければならない。

3 前条第2項の規定は、前項の規定による届出があった場合について準用する。

(関係書類の閲覧)

第17条 事業者は、規則で定めるところにより当該事業を行っている間、この条例の規定により町長に提出した書類の写しを、近隣住民等その他事業に関し生活環境の保全上、利害関係を有する者の求めに応じ、閲覧させるよう努めなければならない。

(監督処分)

第18条 町長は、許可事業者が次の各号のいずれかに該当するときは、その許可を取り消すことができる。

(1) 正当な理由なく第7条第1項の規定による書類の提出をせず、又は虚偽の書類を提出したとき。

(2) 第13条第1項の規定による指導又は助言に応じないとき。

(3) 第14条第1項の規定による通知を受ける前に事業に着手したとき。

(4) 偽りその他不正の手段により、許可を受けたとき。

(5) 第8条第2項の規定により許可に付した条件に違反したとき。

(6) 許可を受けてから起算して1年を経過した日までに設置工事に着手しなかったとき。

(7) 設置工事に着手した日後1年を超える期間引き続き設置工事を行っていないとき。

(8) 第8条第1項に掲げる要件を満たさないと認められるに至ったとき。

(9) 第7条第3項の規定により変更の許可を受けなければならない事項を同項の許可を受けないで変更したとき。

2 町長は、この条例の規定に違反し、又は許可の内容に適合していない設置工事について、事業者(請負工事の下請人を含む。)又は現場管理者に対して、当該設置工事の施行の停止を命じ、又は相当の期限を定めて、設置工事の施行に伴う災害の防止又は良好な自然環境等の保全のため必要な措置を講ずることを命ずることができる。

(保全義務)

第19条 事業に係る再生可能エネルギー発電設備の設置者、所有者又は管理者(次条において「設置者等」という。)は、災害又は自然環境等の保全上の支障が生じないよう、再生可能エネルギー発電設備及び事業区域を常時安全かつ良好な状態に維持しなければならない。

(改善命令)

第20条 町長は、再生可能エネルギー発電設備及び事業区域の維持管理が適切になされておらず、又は極めて不完全であるために、災害が発生し、又は自然環境等に重大な影響を及ぼすおそれがあると認めるときは、必要な限度において、当該再生可能エネルギー発電設備の設置者等又は当該事業区域の土地所有者等に対し、相当の期限を定めて、災害の防止又は良好な自然環境等の保全のため必要な措置を講ずることを命ずることができる。

(報告の徴収)

第21条 町長は、事業に係る事業者、工事施工者、土地所有者等その他の関係者に対し、報告又は資料の提出を求めることができる。

(立入調査等)

第22条 町長は、この条例の施行に必要な限度において、当該職員に、事業に係る事業者若しくは工事施工者の事務所若しくは事業所又は事業区域に立ち入り、事業の状況若しくは施設、帳簿、書類その他の物件を調査させ、又は関係者に質問させることができる。

2 前項の規定により立入調査等を行う職員は、その身分を証明する書類を携帯し、関係者に提示しなければならない。

3 第1項の規定による立入調査等の権限は、これを犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

(勧告)

第23条 町長は、必要に応じ、次に掲げる者に対し、期限を定めて必要な措置を講ずるよう勧告することができる。

(1) 第9条第1項の規定による必要な措置を講じない者

(2) 第9条第5項の規定による協議をせず、又は虚偽の内容で協議を行った者

(3) 第9条第5項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者

(4) 第21条の規定による報告若しくは資料の提出を正当な理由なく拒み、又は虚偽の報告若しくは資料を提出した者

(5) 前条第1項の規定による立入調査を正当な理由なく拒み、妨げ、又は忌避した者

(公表)

第24条 町長は、次の各号のいずれかに該当するときは、その旨を公表することができる。

(1) 第18条第2項又は第20条の規定による命令に違反したとき。

(2) 前条の規定による勧告に従わないとき。

2 町長は、前項の規定による公表をしようとするときは、あらかじめ事業者にその理由を通知し、弁明の機会を与えなければならない。

(委任)

第25条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

この条例は、公布の日から施行する。

上島町再生可能エネルギー発電設備の設置の規制等に関する条例

平成30年6月27日 条例第34号

(平成30年6月27日施行)