○上島町介護サービス事業者等指導及び監査実施要綱

平成21年6月25日

訓令第8号

(趣旨)

第1条 この要綱は、介護保険法(平成9年法律第123号。以下「法」という。)第23条、第42条、第42条の3、第45条、第47条、第49条、第54条、第54条の3、第57条、第59条、第76条、第78条の6、第83条、第90条、第100条、第115条の7、第115条の17、第115条の27及び第115条の33の規定に基づき、介護保険に係るサービス提供事業者及び介護保険施設等(以下「サービス事業者等」という。)に対して、上島町が行う指導及び監査に関し必要な事項を定めるものとする。

(指導及び監査の目的)

第2条 指導及び監査は、サービス事業者等に対して行う介護給付及び予防給付(以下「介護給付等」という。)に係る居宅サービス等(以下「介護給付等対象サービス」という。)の内容並びに介護給付等に係る費用(以下「介護報酬」という。)の請求並びに指定地域密着型サービス事業者の業務管理体制の整備に関し、法令、通達等に対する適合状況等について、個別に明らかにし、必要な助言及び指導又は是正の措置を講ずることにより、介護給付等対象サービスの質の確保及び利用者保護並びに保険給付の適正化を図ることを目的とする。

(指導及び監査の対象)

第3条 この要綱に基づく指導及び監査の対象は、次に掲げるサービス事業者等とする。

(1) 指定居宅サービス事業者

(2) 指定地域密着型サービス事業者

(3) 指定地域密着型介護予防サービス事業者

(4) 指定居宅介護支援事業者

(5) 指定介護老人福祉施設、介護老人保健施設、指定介護療養型医療施設

(6) 指定介護予防サービス事業者

(7) 居宅介護及び介護予防のための住宅改修を行う者等

(8) 指定介護予防支援事業者

(9) 前各号(第7号を除く。)の特例によりサービスを行う者

(指導の方針)

第4条 指導は、介護給付等対象サービスの取扱い及び介護報酬の請求等に関する事項について周知徹底させるとともに、法令、通達等に照らし改善の必要があると認められる事項については、適切な助言及び指導を行うことを方針として実施する。

(指導の形態等)

第5条 指導の形態は、次のとおりとする。

(1) 集団指導

指導の対象となるサービス事業者等を、必要な指導の内容に応じ、一定の場所に集めて講習等の方法により行う。

(2) 書面指導

指導の対象となるサービス事業者等から書面の提出を受けた上で、一定の場所で面談形式等により行う。ただし、事前に提出された書面を確認した結果、面談の必要がないと判断した場合は、面談を省略することができるものとする。

(3) 実地指導

指導の対象となるサービス事業者等の事業所において実地に行う。

 一般指導

町が単独で行うもの

 合同指導

町が厚生労働省や愛媛県等と合同で行うもの

 特別合同指導

都道府県圏を超え、全国的に影響の大きいと考えられる活動を行うサービス事業者等又は特に重点指導を必要とするサービス事業者等に対して厚生労働省と町が合同で行うもの

(指導対象の選定基準)

第6条 指導は、すべてのサービス事業者等を対象とし、指導対象の選定基準は別表第1のとおりとする。

2 指導対象の選定に当たっては、利用者、保険者及び愛媛県からの情報のみならず、国民健康保険団体連合会(以下「連合会」という。)の介護給付費適正化システムによる情報を活用するものとする。

3 サービス事業者等に対し、都道府県及び他の区市町村が一般指導等を行った結果、特に問題が認められなかったサービス事業者等については、当該年度における実地指導は省略して差し支えないものとする。ただし、第3条第2号第3号及び第8号に該当する事業所については、実地指導を省略することができない。

(指導の実施方針及び実施計画)

第7条 指導を効率的かつ効果的に実施するため、実地指導の実施に当たっては、指導の重点事項及び指導目標等を掲げる指導実施方針(以下「実施方針」という。)を作成し、実施方針に基づき、当該年度の指導班の編成及び実地指導の規模等を含む実施計画を策定するものとする。

(指導の実施方法等)

第8条 指導の実施方法等は、次のとおりとする。

(1) 集団指導

 指導通知

指導対象となるサービス事業者等を決定したときは、あらかじめ集団指導の実施日、場所、出席者及び指導内容等を当該サービス事業者等に通知する。

 指導方法

指導は、介護給付等対象サービスの取扱い、介護報酬の請求の内容、制度改正内容及び過去の指導事例等について、講習等の方式で行う。

(2) 書面指導

 指導通知

指導対象となるサービス事業者等を決定したときは、あらかじめ書面指導の実施日、場所、出席者及び提出書類等を文書により当該サービス事業者等に通知する。

 指導方法

指導は、関係法令、通達等に基づき、提出書類等を確認しつつ、個別に面談して行う。ただし、事前に提出された書面を確認した結果、面談の必要がないと判断した場合は、面談を省略することができる。

 指導結果の通知等

指導の結果、改善を要すると認められた事項については、後日、文書により指導結果を通知する。

 改善報告書の提出

当該サービス事業者等に対して、文書により改善を指摘した場合は、指導結果通知後30日以内に、改善報告書の提出を求める。

(3) 実地指導

 指導通知

指導対象となるサービス事業者等を決定したときは、あらかじめ実地指導の根拠規定、目的、実施日、場所、指導担当者、出席者及び準備すべき書類等を文書により、当該サービス事業者等に通知する。ただし、緊急に指導を実施する必要があると判断した場合には、指導の開始時に通知を行うことができるものとする。

 指導方法

指導は、関係法令、通達等に基づき、関係書類等を閲覧し、関係者からの面談方式で行う。

 指導結果の通知等

指導の結果、改善を要すると認められた事項については、後日、文書により指導結果を通知する。

 改善報告書の提出

当該サービス事業者等に対して、文書により改善を指摘した場合は、指導結果通知後30日以内に、改善報告書の提出を求める。

 指導体制

指導は、2人以上の指導班を編成して実施する。

(調査書等の提出)

第9条 書面及び実地指導等の実施に当たっては、サービス事業者等にあらかじめ指導に必要となる書類の提出を求めることができる。

(指導後の措置)

第10条 書面指導の結果、指摘した事項について改善が不十分な場合等必要があると認められたときは、実地指導を行う。

2 実地指導の結果、軽微な指摘はあるが、概ね適正な事業運営が確保されていると認められる場合は、助言指導のほか文書による改善事項の通知等による行政指導を実施する。

3 前項の規定による行政指導の実施にもかかわらず、指摘した事項について改善が不十分なサービス事業者等については、必要に応じて、再度、実地指導等を行う。

4 実地指導の結果、基準違反が確認された場合は、改善の可能性、時期等を勘案し、法に規定する勧告を実施する。勧告した事項について定められた期間内に従わなかったサービス事業者等については、その旨を公表するとともに、法に規定する命令を実施する。

5 命令した事項について定められた期間内に従わなかったサービス事業者等については、その旨を公示し、必要な行政処分を実施する。

6 実地指導の結果、第13条に規定する監査の選定基準に該当すると判断した場合は、速やかに監査を行う。

7 実地指導の結果、介護給付等対象サービスの内容又は介護報酬の請求等に関し不当な事実を確認したときは、当該サービス事業者等に対し自主返還等を行うよう指導する。

(指導の拒否への対応)

第11条 正当な理由がなく書面指導を拒否した場合は、実地指導を行う。

2 正当な理由がなく実地指導を拒否した場合は、監査を行う。

(監査の方針)

第12条 監査は、介護給付等対象サービスの取扱い及び介護報酬の請求に関する事項について不正又は著しい不当が疑われる場合等において、事実関係を的確に把握し、公正かつ適切な措置を行うことを方針とする。

(監査の選定基準)

第13条 監査は、サービス事業者等が、別表第2のいずれかに該当する場合に行う。

(監査の実施方法等)

第14条 監査の実施方法等は、次のとおりとする。

(1) 事前調査

監査担当者は、原則として監査を実施する前に、介護給付費請求書等による書面調査を行うとともに、必要と認められる場合には、介護給付を受けた要介護者又は要支援者等(以下「要介護者等」という。)に対する実地調査を行う。

(2) 実施通知

監査対象となるサービス事業者等を決定したときは、あらかじめ監査の根拠規定、実施日、場所、監査担当者、出席者及び準備すべき書類等を文書により、当該サービス事業者等に通知する。

(3) 出席者

監査に当たっては、監査対象となるサービス事業者等の開設者(又はこれに代わる者)及び管理者の出席を求めるほか、必要に応じて介護給付等対象サービスの担当者、介護報酬請求の担当者又は関係者の出席を求めることができる。

(4) 監査調書の作成

監査担当者は、監査後、監査調書を作成する。

(5) 監査体制等

 監査の実施に当たっては、原則として、実地指導の指導班を中心に班を編成する。

 その他問題の性質等の状況に応じて、特別班を編成して実施することができる。この場合、課長級の職にある者を長とすることができる。

(監査後の措置)

第15条 監査後の措置は、次のとおりとする。

(1) 行政上の措置

 法第78条の9、第78条の10、第115条の18、第115条の19、第115条の28、第115条の29及び第115条の34の規定に基づく勧告、措置命令、指定の全部又は一部の効力停止及び指定の取消し(以下「指定取消等処分」といい、勧告及び命令とあわせて「指定の取消し等」という。)とする。この場合において、指定基準に従った適正な運営が行われておらず、直ちに指定取消等処分ができる事由は、別表第3のとおりとする。

 監査の結果、当該サービス事業者等が指定取消等処分に該当すると認められる場合は、監査後、指定取消処分等予定者に対して、行政手続法(平成5年法律第88号)の規定に基づき、聴聞又は弁明の機会の付与を行わなければならない。

 指定の取消し等を行うに至らないと認められる場合には、第10条に規定する指導後の措置に準じて指導する。

(2) 経済上の措置

 監査の結果、介護給付等対象サービスの内容又は介護報酬の請求に関し不正又は不当の事実が認められ、これに関わる返還金が生じた場合には、法第22条第3項の規定に基づき当該事業者等から返還金相当額を徴収するものとする。また、愛媛県国民健康保険団体連合会に通知し、当該サービス事業者等に支払うべき介護報酬からこれを控除させるよう措置する。ただし、控除の方法により難い場合は、当該事業者等から直接徴収するものとする。

 返還の対象となった介護報酬に係る要介護者等が支払った自己負担額に過払いが生じている場合には、監査対象となったサービス事業者等に対して、当該自己負担額を要介護者等に返還するよう指導する。

(3) 行政上の措置の公表等

監査の結果、指定取消等処分を行ったときは、法の規定に基づき、速やかにその旨を公示する。また、法第78条の11及び第115条の20の規定に該当する場合は、その旨を愛媛県知事に対し届け出る。

(愛媛県への通知)

第16条 指導又は監査を行った結果、次に該当すると認めるときは、その旨を愛媛県知事に通知する。

(1) 法第74条第1項、第81条第1項、第88条第1項、第97条第2項及び第115条の4第1項の厚生労働省令で定める基準又は同項の厚生労働省令で定める員数を満たしていない場合

(2) 法第74条第2項、第81条第2項、第88条第2項、第97条第3項及び第115条の4第2項に規定する基準に従った適正な運営がなされていない場合

(3) 法第77条第1項、第84条第1項、第92条第1項、第104条第1項及び第115条の8第1項の各号のいずれかに該当する場合

(4) 法第100条第3項の規定に該当する場合

(厚生労働省及び愛媛県並びに関係機関等との連携)

第17条 指導の効果を高めるために、愛媛県及び他の保険者並びに連合会との連携を図る。

2 指導後の実施状況については、必要に応じて厚生労働省及び愛媛県に報告する。

(その他)

第18条 指導結果の通知、勧告及び命令を行った場合は、その内容についてサービス事業者等の事業活動区域に該当する他の区市町村(保険者)への情報提供を行うとともに、利用者保護の観点からできる限り開示を行う。

この要綱は、公布の日から施行する。

別表第1(第6条関係)

指導対象の選定基準

指導の形態

選定基準

集団指導

(1) 介護給付等対象サービスを開始したサービス事業者等で、おおむね事業開始1年以内の事業者等

(2) 実地指導及び書面指導の対象外とされたサービス事業者等で、指導内容に該当する事業者等

(3) その他集団指導を行うことが適当と認められるサービス事業者等

書面指導

(1) 集団指導の対象事業者等であって、前年度一度も集団指導に出席していないサービス事業者等

(2) 前年度、実地指導の対象事業者等であって、実地指導の必要はないが、継続的に指導の必要があると認められるサービス事業者等

(3) その他書面指導を行うことが適当と認められるサービス事業者等

実地指導

一般指導

(1) 前年度、集団又は書面指導の対象となった介護保険施設

(2) 前年度及び前々年度、集団又は書面指導の対象となった指定居宅サービス事業者、指定居宅介護支援事業者及び指定介護予防サービス事業者

(3) 前々年度、集団又は書面指導の対象となった指定地域密着型サービス事業者、指定地域密着型介護予防サービス事業者及び指定介護予防支援事業者

(4) 内部告発、利用者及びその家族、連合会及び愛媛県などからの情報提供を受けて、指導が必要と認められるサービス事業者等

(5) 法に規定される勧告又は命令を受け、期日までに改善を求められたサービス事業者等

(6) その他特に一般指導が必要と認められるサービス事業者等

合同指導

(1) 複数の区市町村で指定を受けているサービス事業者等

(2) その他特に合同指導が必要と認められるサービス事業者等

特別合同指導

(1) 全国的に広範囲で活動を行うサービス事業者等

(2) その他特に特別合同指導が必要と認められるサービス事業者等

別表第2(第13条関係)

監査の選定基準

(1) 介護給付等対象サービスの内容に不正又は著しい不当があったことを疑うに足りる理由があるとき。

(2) 介護報酬の請求に不正又は著しい不当があったことを疑うに足りる理由があるとき。

(3) 法第74条、第78条の4、第81条、第88条、第97条、第115条の4、第115条の14、第115条の24又は第115条の32に規定する基準に重大な違反があると疑うに足りる理由があるとき。

(4) 度重なる一般指導、合同指導及び特別合同指導を行っても、介護給付等対象サービスの内容又は介護報酬の請求に改善がみられないとき。

(5) 正当な理由がなく一般指導、合同指導及び特別合同指導を拒否したとき。

別表第3(第15条関係)

直ちに指定取消等処分ができる事由

(1) 次に掲げるときその他事業者等が自己の利益を図るために指定基準に違反したとき。

地域密着型サービス及び地域密着型介護予防サービスの提供に際して利用者が負担すべき額の支払を適正に受けなかったとき。

居宅介護支援事業者若しくは居宅介護予防支援事業者又はその従業者に対し、利用者に対して特定の事業者によるサービスを利用させることの対償として、金品その他の財産上の利益を供与したとき。

(2) 利用者の生命又は身体の安全に危害を及ぼすおそれがあるとき。

(3) その他(1)及び(2)に準ずる重大かつ明白な指定基準違反があったとき。

上島町介護サービス事業者等指導及び監査実施要綱

平成21年6月25日 訓令第8号

(平成21年6月25日施行)